技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品/抗体医薬品の精製技術と品質分析

バイオ医薬品/抗体医薬品の精製技術と品質分析

~開発実例をもとにコスト削減 / 効率化のコツと今後の開発動向を探る~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、バイオ医薬の精製プロセスについて、特に抗体医薬のアフィニティクロマトグラフィー精製工程を中心に概説いたします。
また、デファクトスタンダートリガンドであるプロテインAの代替リガンドの開発動向について、講師の試みを含めて紹介いたします。

開催日

  • 2023年2月16日(木) 12時30分 16時30分

プログラム

 抗体医薬品を始めとするバイオ医薬品 (生物学的製剤) は、化学合成医薬品と多くの点で異なる。なかでも、生物を利用して生産されることと、不安定な巨大高分子で複雑な構造であることの2点は本質的な違いである。バイオ医薬品の製造と品質管理に関しては、化学合成医薬品とは全く異なる専門的な知識と先進的な技術が不可欠であり、別次元の環境と体制の整備を製造業者に強いている現況がある。これらは、まさに上記の二つの本質的相違に因るものである。バイオ医薬品の製造と品質管理を正しく理解することは、その業務を担当する者はもちろん、直接携わらない者にとっても大変重要である。
 本セミナーでは、まず、バイオ医薬品の精製技術、特に抗体医薬品のプロテインAアフィニティークロマトグラフィーについて、その基本的事項を概説する。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーをはじめとする各種の精製技術は、バイオ医薬品製造における不可欠な単位操作であり、製造コストに占める比率も大きいことから、その理解はバイオ医薬品製造の生産性向上あるいは経営的改善に有益である。デファクトスタンダートリガンドであるプロテインAの代替リガンドの開発動向について、筆者らの試みも含めて紹介する。
 続いて、品質分析に関して解説する。治療用モノクローナル抗体は、その効用と安全性を保証する必要があることから、厳格な品質管理が行われている。その中心は、多角的な理化学分析試験の実施である。分子構造、物理化学的性質、生物学的性質、不純物などの項目に関して、最新の科学的知見に照らし妥当であり、高い信頼性の結果を与える分析方法を用いて、あらかじめ定めた規格に合致していることを確認することが求められている。本セミナーでは、バイオ医薬品の品質分析に関する現状を概説するとともに、今後の課題と最新の技術開発状況に関して紹介する。

  1. バイオ医薬品のアップストリーム工程の概要
    1. バイオ医薬品の定義と特徴
    2. バイオ医薬品の製造工程の全体像
      1. 製造施設のイメージ
    3. アップストリーム工程の流れ
      1. 遺伝子導入
      2. 生産株樹立
      3. セルバンク
      4. 拡大培養、本培養
      5. シングルユース
    4. バイオ医薬品製造の留意点
  2. バイオ医薬品の精製のながれ
    1. 精製プロセスの目的
    2. バイオ医薬品を構成する成分の基本概念
      1. 不純物のタイプ
    3. 精製プロセスの単位操作
      1. 細胞分離
      2. 濃縮
      3. 最終精製
      4. 溶媒交換
      5. 濾過滅菌
      6. ウイルス対応
    4. バイオ医薬品製剤のながれ
      1. 製剤プロセスの目的
    5. 製剤プロセスの単位操作
      1. 凍結乾燥
    6. プロセスの最適化
  3. 抗体医薬品のクロマトグラフィー精製
    1. 抗体医薬品の特徴
      1. 抗体の生産法
      2. 抗体医薬品Remicade®の精製ステップ
    2. プロセスクロマトグラフィーの要件
    3. 精製プラットホーム
      1. 各種クロマトグラフィーの特徴
    4. 抗体医薬品のクロマトグラフィー関連市場
  4. アフィニティリガンドの科学と開発
    1. アフィニティリガンドとは何か
    2. プロテインAと抗体のタンパク質科学
      1. 配列、構造、種依存性、バイオインフォマティクス
      2. 相互作用の制御と溶出メカニズム
    3. プロテインAアフィニティクロマトグラフィーのプロセス開発
      1. 操作サイクル、結合容量、スループット、溶出条件
      2. リガンド漏出、耐久性・寿命
    4. プロテインAアフィニティ担体
      1. 主なブランド、性能、問題
      2. コストシミュレーション
  5. バイオ医薬品の品質分析試験
    1. 品質分析の目的と原則
    2. 品質分析のガイドライン
    3. バイオ医薬品を構成する成分
    4. 品質分析と医薬品開発
    5. 申請前の品質分析、認可後の品質分析
    6. 品質分析試験項目の設定
    7. 品質分析の留意点
  6. 原薬不均一性評価技術の開発
    1. バイオ医薬品は均一ではない
      1. 分子不均一性の品質管理
    2. 分子不均一性とバイオシミラー
    3. FDAの見解
    4. 品質分析のフロンティア
      1. 翻訳後修飾に伴う不均一性の評価
      2. 凝集化に伴う不均一性の評価
      3. 立体構造変化に伴う不均一性の評価
    5. 不均一性評価技術の開発状況分子不均一性の影響

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。

「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/19 ASEAN各国の医薬品申請のための薬事制度と申請資料作成方法 オンライン
2024/6/20 ザ・治験薬のGMP2024 東京都 会場・オンライン
2024/6/20 QA部門のためのGMP文書・記録類の照査のポイント オンライン
2024/6/20 医薬品の知財制度と特許戦略 入門講座 オンライン
2024/6/20 経皮吸収製剤における評価と生物学的同等性試験のポイント オンライン
2024/6/20 事例を交えて学ぶ共同研究契約・共同出願契約等に関するポイントと実践的対処方法 オンライン
2024/6/21 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2024/6/21 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン
2024/6/21 非臨床試験QC/QAの留意点とGLP品質マネジメントシステムから学ぶ非臨床試験の信頼性保証 オンライン
2024/6/21 GMP省令改正における原材料供給者管理への対応と原薬・原料・資材各々の取決め事例 オンライン
2024/6/21 ICH Q3D/日局をふまえた元素不純物管理 (新薬・既存薬) のための分析・試験法設定のポイント オンライン
2024/6/24 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/6/24 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/6/24 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/6/24 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/6/24 日米欧の規制対応を可能とするためのグローバルPV体制構築とベンダーコントロール オンライン
2024/6/24 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン
2024/6/25 実際に起こったトラブル事例から学ぶ解決策の考え方、スケールアップ・ダウン検討および実験計画の具体的な進め方 オンライン
2024/6/25 医薬品製造現場における少人数体制のQC/QA業務効率化/コスト削減 オンライン
2024/6/25 経皮吸収の基礎と評価方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/2/26 核酸医薬・mRNA医薬の製造分析の基礎と基盤技術開発
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法 (製本版 + ebook版)
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法