技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウム二次電池向けバインダーの高電圧対応設計と最適選定

リチウム二次電池向けバインダーの高電圧対応設計と最適選定

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年7月7日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 水系バインダーによるリチウムイオン電池の高性能化

(2016年7月7日 10:00〜11:30)

 リチウムイオン電池に使用される水系バインダーの機能について、プロセス材および内部構成材の両面から理解を深めることができる。 最新の電池セルが抱える技術的課題に対して、バインダーからの解決方法とそのポイントを把握することができる。

  1. 電池バインダーの機能
    1. プロセス材としてのバインダーの機能
      1. 分散性の制御について
      2. 結着性の制御について
    2. 内部構成材としてのバインダーの機能
  2. バインダー機能と電池性能
    1. セルの技術的課題とバインダー機能
    2. 正極用水系バインダーによる高電位耐性
    3. 新しい電池設計への対応
    • 質疑応答

第2部 混練・塗布・乾燥を踏まえたPVDFバインダーの選び方・使い方

(2016年7月7日 12:10〜13:40)

 LiB用バインダーは非常に厳しい環境の中で使われます。適正なグレードを選定し、適正な加工をすることは非常に重要ですが、難しいプロセスです。これはLiBの材料構成は先ず活物質と電解液が決まるという優先順位にも起因しています。バインダーは「Last Material for Changing」と言われています。多くの条件に合わせこんで選定することが非常に重要になります。選定の為にはバインダー自身の性能以外に要求特性、加工方法をよく理解する必要があります。今回の講演ではPVDF系バインダーの特性を説明すると共に、加工方法、要求特性上の関係など広範な条件を踏まえての選定について説明いたします。

  1. アルケマ紹介
  2. PVDFとフッ素樹脂
  3. Kynar PVDFとその歴史
  4. Kynarの製造
  5. Kynarの特性、グレード
  6. Kynarの用途
  7. Kynarの電池展開
  8. 市場動向
  9. バインダーに求められる特性
  10. 電極製造工程とバインダーの選択
  11. 新規バインダー用グレード紹介
    • 質疑応答

第3部 電池材料としての天然高分子材料の利用と水系電極製造プロセス:LIB用バインダーの特性

(2016年7月7日 13:50〜15:20)

 大学と大学発ベンチャーにおける技術の発展で得た、様々な結果を、講演者が実際に本人の手で実験して得た情報等 (失敗談も) も交えて論ずる。高電圧系正極をターゲットとした、弊社で取り扱う新規バインダーの紹介の他、バインダーと電池特性の関わりについて今後のバインダー選定の指針となるような評価結果と合わせて紹介する。

  1. 本学及び弊社のご紹介
    1. 株式会社アイエレクトロライトについて (事業展開について)
    2. 関西大学との関わり (イノベーション創生センター)
  2. 蓄電デバイスにおけるバインダーをとりまく状況
    1. リチウムイオン電池の正極 (電極製造プロセスの現状と課題)
    2. バインダーの将来像 (弊社製品の紹介~天然高分子材料の利用について~)
  3. 天然高分子材料の特性評価
    1. バインダーとしての基礎物性
    2. 極板特性
    3. 電気化学特性 (バインダーの電池特性への関与について)
    4. 電池特性 (層状型,スピネル型各正極材料への展開)
  4. 今後の展開 (作業現場での失敗例等に学ぶ,今後のバインダーの将来)
    1. 作業現場での失敗
    2. おわりに
    • 質疑応答

第4部 高電圧・高容量正極材料への水系バインダーの適用と性能評価

(2016年7月7日 15:30〜17:00)

  1. リチウムイオン二次電池におけるバインダーの機能と役割
    1. バインダーの持つべき役割
    2. バインダーの種類と分類
    3. 電池特性に及ぼすバインダーの特性
  2. バインダーの分散法と電極の成膜方法
    1. 高分散性を得るための方法
    2. 実際の例から見る成膜方法と電池特性の関係
  3. 水系バインダー
    1. 水系バインダーの種類
    2. 水系バインダーと溶媒系バインダーの電池性能の比較
    3. カルボキシメチルセルロース (CMC) バインダーについて
  4. 正極用バインダー
    1. 正極水系バインダーの種類
    2. 水系バインダーと溶媒系バインダーの電池性能の比較
    3. カルボキシメチルセルロース (CMC) バインダーについて
    4. CMCバインダーとLi過剰固溶体正極材料の組み合わせについて
  5. ナノ構造を利用した正、負極用バインダー
  6. 研究動向と今後の課題
    • 質疑応答

講師

  • 金田 拓也
    日本ゼオン株式会社 研究開発本部 総合開発センター 機能性材料研究所
    チームリーダー
  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 副田 和位
    関西大学 先端科学技術推進機構
    特別任命助教
  • 松本 太
    神奈川大学 工学部 物質生命化学科
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/24 カーボンナノチューブの基礎とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/28 車載電池・リチウムイオン電池の爆発・火災事故の傾向、 その安全性向上技術、過酷試験の進め方、規制対応 オンライン
2024/5/30 EVを始めとした次世代自動車の普及展望とリチウム、コバルトなどLiB用金属資源の今後 オンライン
2024/5/31 リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化 オンライン
2024/5/31 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン
2024/6/4 欧州のxEV及び電池業界動向 東京都 オンライン
2024/6/7 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン
2024/6/11 リチウムイオン電池の基礎と性能・安全性評価手法 オンライン
2024/6/12 EV用リチウムイオン電池および全固体電池のリサイクル オンライン
2024/6/14 バッテリマネジメントシステムの基礎とバッテリパックの設計手法 オンライン
2024/6/17 リチウムイオン電池の開発方向性と寿命・SOH推定の考え方 オンライン
2024/6/19 電気化学測定の基礎と実験データの解釈のポイント オンライン
2024/6/19 電気自動車におけるバッテリーマネジメントの基礎知識 オンライン
2024/6/20 燃料電池、アンモニア、水素を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2024/6/24 全固体電池材料の最新動向 オンライン
2024/6/27 リチウムイオン電池用正極材料の高容量化に向けた開発、適用と評価 オンライン
2024/6/27 全固体リチウム電池の高性能化に向けた界面制御技術とその評価 オンライン
2024/6/27 リチウムイオン電池のリサイクル・リユースの動向と今後の展望 オンライン
2024/6/28 バッテリーマネジメント用リチウムイオン電池のインピーダンス測定の考え方 オンライン
2024/7/2 全固体リチウム電池の高性能化に向けた界面制御技術とその評価 オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/11/30 EV用電池の安全性向上、高容量化と劣化抑制技術
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023 [書籍 + PDF版]
2023/6/14 車載用リチウムイオン電池リサイクル : 技術・ビジネス・法制度
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/4/6 電池の回収・リユース・リサイクルの動向およびそのための評価・診断・認証
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/28 リチウムイオン電池の長期安定利用に向けたマネジメント技術
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ (書籍 + PDF版)
2022/9/16 2022年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2022/9/14 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (進歩編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編 + 進歩編)
2022/8/19 2022年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2022/6/30 二次電池の材料に関する最新技術開発
2022/6/13 LiBメーカー主要7社 (CD-ROM版)
2022/6/13 LiBメーカー主要7社
2022/4/11 世界の車載用LIBのリユース・リサイクル 最新業界レポート
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍版)