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実際に起こった不具合や解決方法、注意点で学ぶスケールアップ・ダウン検討および実験計画の進め方・データのとり方

実際に起こった不具合や解決方法、注意点で学ぶスケールアップ・ダウン検討および実験計画の進め方・データのとり方

~開発初期 (実験室〜10Lスケール) の事例 / パイロット試作 (200〜500Lスケール) での事例 / パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) での事例 / 商用生産開始後の事例~
オンライン 開催

このセミナーは2024年1月に開催したセミナーのオンラインセミナー:オンデマンド配信です。
オンラインセミナーは、お申し込み日より10営業日の間、動画をご視聴いただけます。
お申込は、2024年8月29日まで受け付けいたします。
(収録日:2024年1月23日 ※映像時間:約4時間54分)

概要

本セミナーでは、実験を行う前に知っておくべき基本的事項、パイロット、工場スケールでの製造に向けた実験の考え方、注意点、実験の計画法、データの収集法、データの評価法を説明すると共に実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点をどのように対処、解決したか開発段階に応じた事例を参考にわかりやすく説明いたします。

開催日

  • 2024年8月29日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • プロセス実験する際に熟知しておくべき基本的事項
  • 実験の進め方、スケールアップするための確認、チェック事項
  • スケールアップの進め方
  • スケールアップの際の失敗事例とその原因の究明方法、対応策の考え方
  • スケールアップの実際

プログラム

 医薬品、化学品開発の最終目標は商用生産にあり、原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造は開発過程では絶対に避けられない部分である。プロセス開発にあたり、実験担当者、指導者は事前に熟知しておくべき項目が多数ある。
 本セミナーでは実験を行う前に知っておくべき基本的事項、パイロット、工場スケールでの製造に向けた実験の考え方、注意点、実験の計画法、データの収集法、データの評価法を説明すると共に実際のスケールアップ製造で遭遇した問題点をどのように対処、解決したか開発段階に応じた事例を参考にわかりやすく説明する。

  1. 医薬品 (原薬、中間体) 、化学品の開発とスケールアップ (基本的な考え方)
  2. 実験を行う前に熟知しておくべき基本的事項 (順不同)
    • 試薬と工業原料の違い、試薬の規格
    • プロセスと原料、中間体の規格 (目的の品質の原料が入手できない (対応法) )
    • スケールアップで使用を避けるべき溶媒
    • 溶媒の特性と試薬の組み合わせ (例えば過酸化物ができないか?)
    • 乾燥終点確認の工程内試験 (カールフィシャー試薬の妨害物質)
    • 2成分系の共沸混合物 (水)
    • 汎用溶媒の静電気の緩和時間と半減期 (静電気事故対策)
    • 反応に混入する水の要因と除去法
    • 結晶多形の管理 (結晶形を区別する分析法)
    • 法律関係 (化審法、安衛法、その他)
    • 結晶化 (晶析) 工程がスケールアップ可能か判断する実験法
    • 化学プロセスで使用される水の規格
    • 実用試験 (use test) の重要性について
    • サンプル評価について
    • 実験検討とプロセスの経済的評価 (原単位について (原料費の試算) )
    • 溶媒和物・水和物の考え方、対応法 (脱溶媒法・脱水法)
    • その他
  3. スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方と原料、中間体の評価項目 (安全性、安定性、結晶多形、溶媒和他) とその対応策
  4. 実験計画法による効率的なデータ収集
    1. スケールアップを前提とした実験計画の考え方
      • 事例1:プロセスの短縮 (7日近くかかるプロセス (反応→抽出→濃縮→晶析→乾燥) を2日に短縮。)
      • 事例2:過酸化水素水による酸化反応 (危険性回避)
    2. スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法
      • 一つの化合物を例に合成ルートの決定から商用生産まで
  5. スケールアップでの問題点 (実際の経験から) と対応策
    1. 開発初期 (実験室〜10Lスケール) の事例
      • 転位反応:1gから10gにスケールアップしたら転位反応が原因で目的物が得られなくなった。 (反応機構の理解)
      • アスコルビン酸硫酸エステル誘導体の製造:1gスケールでは目的物が合成できたが、10gスケールでは合成不可の結果となった。 (中間体の安定性)
      • カラム分離工程の回避:前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の必要性が出てきた。 (結晶性誘導体)
      • ペントキシフィリン中間体の製法検討:文献を参考に実験を進めたが目的物は得られず、実験結果に基づいて検討を進めたところ、簡単な製法にたどり着いた。 (反応の理解)
      • 抗生物質の側鎖の製造:新合成法を考案し、特許出願までしたが、中間体に安全性の問題あることがわかり、検討中止。 (安定性は変えられない)
      • その他
    2. パイロット試作 (200〜500Lスケール) での事例
      • ジクロルアセトニトリルの製造:設備の性能を安易に考えて刺激性のミストが噴出した。 (反応の理解)
      • アミノチアジアゾール誘導体の製造:設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。 (反応後の安定性確認)
      • 塩酸ペンタゾシンの中間体の製造:スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。 (中間体の物性は変えられない)
      • アミノチアゾール酢酸誘導体の製造:再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が得られなくなった。 (必ず原因がある)
      • その他
    3. パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) での事例
      • Phase3試験後の製法変更:爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できずPhase3試験が終わってしまった。 (反応の仕組みの理解)
      • 目標規格の原料が手に入らない:商用生産に入ろうとしたら原料が入手できなくなった。 (原料調査の重要性)
      • 設備変更して反応の本来の姿がわかった:パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えたところ錆が発生。 (原料中の強熱残分の影響)
      • アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ:パイロットまでは問題なかったが、商用生産で乾燥機の選択を誤った。 (安定型と準安定型)
    4. 商用生産開始後の事例
      • 収量低下の逸脱:原料の溶解時間の影響 (原料と溶媒の相互作用)
      • 技術移転:季節の影響まで考えていなかった。 (湿度の影響)
      • 原料の純度をアップ:高純度の原料に切り替えた途端に逸脱 (不純物除去の仕組み)
      • 乾燥時間の管理:順調に商用生産がスタートしたが、突然製品の乾燥時間が2倍 (10時間→20時間) になった。 (水和物の考え方)
    • 質疑応答

講師

  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長

主催

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