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微粒子/ナノ粒子の分散安定化に向けたSP値 (3D、4DSP値) の基礎と活用

微粒子/ナノ粒子の分散安定化に向けたSP値 (3D、4DSP値) の基礎と活用

~溶解度パラメータの微粒子分散系への活用 / 化合物および粒子表面のSP値の求め方 / 粒子分散液におけるぬれ/分散化のための良溶媒の選択 / 粒子分散液における分散剤の選択法と新規開発例 / キャピラリー懸濁液における第二流体の選択法~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、HSP値・拡張HSP値の由来、および化合物や粒子のHSP値・拡張HSP値について最新の求め方を説明いたします。
また、HSP値ではHSP距離やHansen球、また拡張HSP値ではEED (Exchange Energy Density) などを利用した、ぬれ/分散、溶解および吸着間のバランスの取り方と、その結果に基づく溶媒/樹脂や分散剤/バインダー、および表面改質法の最適選択法について、多くの分散系調製例をもとに解説いたします。

開催日

  • 2023年1月31日(火) 10時00分 16時00分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 化合物および粒子表面のSP値の求め方
  • 粒子分散液におけるぬれ/分散化のための良溶媒の選択
  • 粒子分散液における分散剤の選択法と新規開発例
  • キャピラリー懸濁液における第二流体の選択法
  • ポリマーコンポジットにおける付着/分散性と表面改質法

プログラム

 溶解度パラメータ (SP値) の考え方は“Like likes like”で表されますから、SP値の近いもの同士は、よく溶け合い、よくぬれ、よく付きます。ヒルデブランドが非極性の正則溶液を対象に定義したSP値 (1次元,1DSP値) は、ハンセンにより極性材料にも適用可能な3DSP値 (HSP値) に拡張、広く採用されてきました。さらにカルガーやビルボアらは酸塩基性を考慮した4DSP値を提唱し、より多様な材料への展開を試みています。
 本講では、先ずSP値 (1D~4D) の由来と様々な求め方を説明します。粒子分散液はたいてい粒子、溶媒および分散剤/バインダーからなりますが、溶媒によるぬれ性と分散剤の溶解性・吸着性とはトレードオフ関係にありますから、両者のバランスを考慮した溶媒や分散剤の選択が欠かせません。また粒子分散液の類例に、ポリマーコンポジット (樹脂中への分散化例) や分散剤を使用しないキャピラリー懸濁液などがありますが、樹脂とフィラーとの付着性の評価やキャピラリー懸濁液における第二流体の選択法などを含め、様々な事例におけるSP値の適用法をわかりやく説明します.

  1. SP値の基礎
    1. ヒルデブランドのSP値とハンセンのHSP値
    2. SP値の図示化法と相互作用距離 (ハンセン距離)
    3. 4DSP値とEED (交換エネルギー密度)
  2. 化合物のSP値の求め方
    1. 化合物のSP値の原子団寄与法による計算
      1. フェドース法
      2. バンクレベレン・ホフティザー法
      3. ホイ法
      4. ステファニス・パナイオトウ法
      5. 市販ソフトウェアHSPiPの利用
    2. 化合物のSP値の測定法
      1. 溶解/膨潤法とハンセン球/ダブルハンセン球の利用
      2. インバースガスクロマトグラフィー法
      3. ファントホッフの法則と拡張ハンセン法
  3. 粒子表面のSP値の測定法
    1. インバースガスクロマトグラフィー法
    2. 低磁場パルスNMR (TD-NMR) 法
    3. 凝集・沈降法
      1. 界面沈降法
      2. フロック径法
    4. 接触角法
  4. 粒子分散液・キャピラリー懸濁液の分散安定性
    1. 粒子分散液の調製工程と課題
    2. ぬれ/分散化の評価と良溶媒選択
    3. 粒子間に働く相互作用力
      1. フアンデルワールス力と有効ハマカー定数
      2. 静電反発力とDLVO理論
      3. 枯渇力と疎水性引力
    4. 高分子分散剤による立体反発安定化
      1. 浸透圧効果と体積制限効果
      2. 高分子ブラシによる立体反発安定化
    5. キャピラリー懸濁液の安定性
      1. キャピラリー懸濁液のゲル化と安定性
      2. SP値を利用した第二流体の選択
  5. 高分子分散剤の選択指針
    1. 分散剤の構造と選択指針
      1. ブロック型/クシ型分散剤と高性能分散剤の開発例
      2. 相溶鎖の伸張性と良溶媒の選択
      3. 自己組織化単分子膜と高分子ブラシの形成
    2. 分散剤の吸着等温線と最適添加量
    3. 分散剤選択におけるSP値の役割
      1. 溶媒,分散剤および粒子間のSP値のバランス
      2. ダブルハンセン球を用いたカーボンブラックの最適分散剤の探索
      3. 4DSP値を用いた難分散性有機顔料の最適バインダーの探索
  6. ポリマーコンポジットにおけるフィラーの付着/分散性と表面改質法
    1. 相互作用距離を利用した付着/分散性の評価と応用例
    2. ハンセン球の重なり度を利用した付着/分散性の評価と応用例
    3. 付着/分散性改善のための表面改質法
      1. 表面改質の目的と手法
      2. 界面活性剤のHLB値と応用例
      3. カップリング反応法と 表面グラフト重合法
  7. 粒子分散液の分散・安定性試験法とチキソ剤の選択
    1. 湿潤点・流動点
    2. フロック径と超音波スペクトロスコピー
    3. レオロジー特性
      1. チキソトロピー・逆チキソトロピー
      2. 動的粘弾性
    4. チキソ剤の働きと選択指針
  8. まとめ
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 34,200円 (税別) / 37,620円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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アカデミー割引

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  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
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ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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