技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析

プラスチック・樹脂における耐衝撃性向上技術と衝撃特性解析

オンライン 開催

開催日

  • 2022年10月5日(水) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 ポリマーアロイ、ポリマーブレンドによる耐衝撃性向上

(2022年10月5日 10:00〜11:10)

 構造材料としての高分子材料には耐衝撃性・耐熱性・柔軟性・寸法安定性、耐候性、軽量性、易加工性など様々な性能が要求されるが、これらは相互に二律背反的である場合が多い。これらを同時に解決する手法として、すでに20世紀に非相溶系のポリマーアロイ技術が確立されている。しかし、最近の市場からの要請はより高水準の性能・機能の要求へと進展しつつある。幸いなことに2010年代以降、ナノ/ミクロの両サイズレベルでモルフォロジーを同時に階層的に制御する「第四世代ポリマーアロイ」技術が顕著に進展している。
 本講では、耐衝撃性の改良・向上の視点から第四世代アロイ技術の特徴を捉え、解説する。

  1. 高分子材料への要求特性と分子構造
    1. 耐衝撃性
      1. 衝撃・破壊の機構
      2. 衝撃強度試験法の理解
      3. 耐衝撃強度と高分子の分子構造
      4. ポリマーブレンド系の耐衝撃強度
    2. 耐衝撃性と耐熱性
    3. 耐衝撃性と柔軟性
    4. 耐衝撃性と加工成形性
  2. 二律背反的な諸物性の同時改良技術
    1. 第一世代ポリマーアロイ技術
    2. 第三世代ポリマーアロイ技術
    3. 衝撃吸収機構とポリマーモルフォロジー
  3. 第四世代ポリマーアロイ技術と耐衝撃性
    1. ナノサイズモルフォロジーの形成
    2. ナノサイズ分散ポリマーブレンド系の物性
    3. 第四世代ポリマーアロイ技術を支える要素技術
    4. 第四世代ポリマーアロイの工業化の実例
    5. 第四世代ポリマーアロイ技術の今後の進展の可能性
    • 質疑応答

第2部 フィラーを活用したプラスチックの 耐衝撃性向上技術

(2022年10月5日 11:20〜12:50)

 プラスチック材料を工業材料として使用する場合、耐衝撃性は非常に重要な特性となる。ポリマーの耐衝撃性を向上させる技術としては、 (1) エラストマーの活用技術、 (2) ポリマーアロイ・ブレンド技術、 (3) フィラーの活用技術が考えられる。中でもフィラーを活用する方法は、衝撃強度と弾性率 (剛性) の相反する特性を同時に向上できるなどの優れた利点を有している。そのためフィラー強化複合樹脂は、現在ではフィラー形状制御や複合材料の構造制御等により高性能化が図られ、重要な工業材料として幅広く使用されている。
 今回は、こうした複合材料の高性能化、特に耐衝撃性向上技術に関して概説する。

  1. フィラー形状制御 (微粒子化) およびモルフォロジー制御による複合材料の高衝撃化
  2. 繊維状フィラーの形状制御 (長繊維化) と界面制御による複合材料の高衝撃化
  3. 複合材料成形体の構造制御による高衝撃化
  4. 成形加工プロセスを活用した成形体の高衝撃化
    • 質疑応答

第3部 耐衝撃性・機械的物性を向上させる添加剤

(2022年10月5日 13:30〜14:30)

 プラステック材料の物性のコントロールに、粒子状・繊維状の無機材料やセルロース系材料が用いられる。しかしながら、低極性であるポリマーに相対的に高極性のフィラー材料はなじみにくい。両者の界面に介在し、分散性・密着性を上げることで、粒子・フィラー材料の能力を最大限引き出すことができる。プラステック材料全体としても各種機械的・熱的物性の向上が図られる。ここではそうした界面制御の添加剤を紹介する。

  1. 高分子量を保持しながら極性基を導入したSCONAシリーズ
  2. ポリオレフィン等への無水マレイン酸の付加技術
  3. フィラーとマトリクスの密着性の向上メカニズム
  4. 相溶性の向上と耐衝撃性
  5. 曲げ強度の向上
  6. 引張強度の向上
    • 質疑応答

第4部 繊維複合材料や発泡樹脂における耐衝撃性向上について

(2022年10月5日 14:40〜15:50)

 強化繊維複合材料や発泡体コア材の利用のみならずリサイクルにおいてもその耐衝撃性は重要なファクターとなる。グローバルな市場は、軽量化や耐衝撃性向上はもちろんそれ以外に、何を求めてどこへ向かっているのかについて解説する。
 また、2022年5月にパリで開催されたJEC Paris 2022から見た連続繊維と熱可塑性樹脂の複合材料と特徴と応用事例紹介をする。

  1. 強化繊維複合材料の種類とその耐衝撃性の考え方
    1. 熱硬化性複合材料と熱可塑性複合材料の違い
    2. 繊維長と耐衝撃性
    3. エネルギー吸収
    4. CFRP vs CFRTP
    5. GFRP vs GFRTP
  2. 発泡体の種類とその耐衝撃性の考え方
    1. 硬質プラスチック独立気泡発泡体
    2. カーボン発泡体
  3. JEC Paris 2022
    1. 展示会の概要
    2. サステナブル熱可塑複合材料
    3. 繊維とマトリックスの組合せ
    4. 熱可塑性複合材料の特徴
    5. サンドイッチ構造
    6. 主な展示品
      • 自動車部品
      • スポーツ用品
      • 通信機器
  4. 今後の展開
    1. リサイクル
    2. バイオベース
    3. 難燃性
    • 質疑応答

第5部 高耐衝撃プラスチックを添加した発泡樹脂の耐衝撃性向上とその応用について

(2022年10月5日 16:00〜17:00)

  1. はじめに
  2. 高耐衝撃プラスチックを添加した発泡樹脂の耐衝撃性向上
    1. 構造と製法
    2. 性能評価
  3. 各種用途展開
    1. シート
    2. その他
    • 質疑応答

講師

  • 今井 昭夫
    テクノリエゾン事務所
    代表 / 研究開発・技術提携・事業企画コンサルタント
  • 野村 学
    株式会社 プレジール
    副社長
  • 若原 章博
    ビックケミー・ジャパン株式会社 イノベーションディベロプメント
    統括
  • 馬場 俊一
    サンワトレーディング株式会社
    代表取締役
  • 鬼頭 雅征
    トヨタ紡織 株式会社 材料技術開発部
    プリンシパルエキスパート

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/3/29 ラジカル重合の重合反応と開始剤の種類・選び方、応用 オンライン
2024/3/29 押出成形のトラブル対策 Q&A講座 オンライン
2024/3/29 高分子材料のレオロジー (粘弾性) の基礎と動的粘弾性測定 オンライン
2024/3/29 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/4/4 光学用透明樹脂の基礎と光学特性制御および高機能化 オンライン
2024/4/5 エポキシ樹脂の硬化メカニズム、硬化剤の種類と選び方、使い方 オンライン
2024/4/8 生分解性マイクロカプセルの材料設計、用途展開、今後の展望 オンライン
2024/4/8 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/9 エポキシ樹脂の分子構造・硬化性および耐熱性とその他の機能性付与技術 オンライン
2024/4/9 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2024/4/10 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2024/4/10 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発 オンライン
2024/4/10 押出加工技術の基本技術とトラブル対策 オンライン
2024/4/10 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2024/4/11 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/4/12 動的粘弾性のチャート読み方とその活用ノウハウ オンライン
2024/4/12 ラジカル重合の重合反応と開始剤の種類・選び方、応用 オンライン
2024/4/12 光学樹脂における屈折率・複屈折の考え方とその測定・制御 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術の基礎と技術動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/6/29 UV硬化樹脂の開発動向と応用展開
2021/6/4 CFRPの用途別動向とビジネス戦略の再構築
2021/5/31 重合開始剤、硬化剤、架橋剤の選び方、使い方とその事例
2021/5/31 高分子材料の劣化・変色対策
2021/4/30 建築・住宅用高分子材料の要求特性とその開発、性能評価
2021/2/16 ポリマーアロイ/ブレンドにおける相溶性・分散条件の最適設計、評価応用の最新技術
2021/1/29 高分子材料の絶縁破壊・劣化メカニズムとその対策
2020/12/25 CFRP/CFRTPの界面制御、成形加工技術と部材応用
2020/11/30 高分子の延伸による分子配向・結晶化メカニズムと評価方法
2020/11/30 高分子の成分・添加剤分析
2020/10/30 ポリウレタンを上手に使うための合成・構造制御・トラブル対策及び応用技術
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/3/31 自己修復材料、自己組織化、形状記憶材料の開発と応用事例
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2020/1/17 最新プラスチック加飾技術の動向と今後の展望
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方