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人工光合成を利用した資源・エネルギー変換システムの開発

人工光合成を利用した資源・エネルギー変換システムの開発

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、人工光合成を理解する上で必要となる光化学について基礎から解説し、人工光合成について解説いたします。
さらに、人工光合成研究の中でも、二酸化炭素をエネルギー・有用炭素資源 (石油資源) へと変換する技術の未来像を中心に解説いたします。

開催日

  • 2022年1月26日(水) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 光を用いた化学反応に関心のある方
  • 光反応に関わる研究で課題を抱えている方
  • 光反応の具体的な方法を把握したい方
  • (太陽) 光エネルギー変換・人工光合成に関心のある方
  • CO2の光資源化に関して関心のある方

修得知識

  • 光エネルギー変換の重要性
  • CO2光資源化の意義
  • 光反応の基礎知識
  • 光反応を行う上での問題点
  • 光エネルギー変換の現状
  • 光エネルギー変換の問題点 (解決すべき課題)

プログラム

第1部 CO2の光資源化と人工光合成の研究動向

(2022年1月26日 10:30〜12:00)

 エネルギー・資源の枯渇を背景に、自然ネルギーの有効活用に関する研究が活発に行われている。特に太陽光は、ほぼ無尽蔵のエネルギー源として極めて有用である。
太陽光の利用として、太陽電池が実用化されているが、電力特有の欠点も存在する。
太陽光エネルギーを用いてCO2を資源・エネルギーにできれば、電力の欠点を補える可能性がある。エネルギーを「化学物質」へと変換する系は、電力にはない魅力がある。

  1. CO2を光資源化する意義
    1. 人類が直面している三大危機
    2. 枯渇する炭素資源
    3. 三大危機の原因
    4. 人工光合成の意義
    5. 太陽エネルギーと光合成の規模
    6. なぜ人工光合成なのか? ~他のエネルギー技術との相違~
  2. 天然光合成の脅威の機能と人工光合成
    1. 光反応のタイムスケール
    2. 多電子変換の重要性と困難さ
    3. 天然光合成系の緻密な構造
    4. 天然の光捕集系
    5. Zスキーム
    6. 電子伝達系
  3. CO2の資源化技術
    1. CO2を還元する困難さ
    2. キーワード解説;触媒、増感剤、多電子変換
    3. 半導体光触媒系
    4. その他の触媒
    5. 金属錯体光触媒
      1. 単一系錯体触媒
      2. 混合系増感系触媒
      3. 連結系光触媒
    6. 今後の課題と展望
  4. まとめ
    • 質疑応答

第2部 水素発生光触媒機能を有する人工光合成システム

(2022年1月26日 13:00〜14:30)

 資源・エネルギー・環境問題を解決する科学技術として、人工光合成が注目されています。近年、政府関係の話やマスコミでもしばしば取り上げられています。代表的な人工光合成として、水から水素を製造する、水を水素源として二酸化炭素を資源化する反応があげられます。この人工光合成技術の中で、簡便で低コストが期待される光触媒を用いた技術開発が望まれています。光触媒を用いた人工光合成は世界中で50年以上研究されてきました。
 本セミナーでは、今までどのような研究がなされてきたか、何が課題点だったのか、現状はどうなっているのか、今後すべき課題は何かを正しく理解することを目的とします。そして、具体的な水分解光触媒系を紹介します。これを学ぶことにより、人工光合成研究の裾野が広がり、さらには新たな産業創成に繋がることを期待します。

  1. 人工光合成研究の背景
    1. 人工光合成とは,その意義と重要性
    2. クリーンエネルギーおよび化学工業における期間物質としての水素
    3. 水から水素を作ることの重要性
    4. 光触媒を用いた水分解研究の歴史
    5. 国内外の動向
    6. ソーラー水分解水素製造最前線
  2. 光触媒を用いた人工光合成の実際
    1. 半導体光触媒を用いた水分解の原理・反応スキーム
    2. 性能評価における留意するべきポイント
    3. 金属酸化物および硫化物を用いた水分解光触媒系の具体例の紹介
    4. 今後の課題
    • 質疑応答

第3部 光触媒印刷膜を利用したZスキーム水分解によるソーラー水素製造

(2022年1月26日 14:45〜16:15)

 光触媒を利用した太陽光による水からの水素製造技術は人工光合成の一つであり、カーボンニュートラル実現に貢献できる技術として注目されている。酸化チタン電極を用いた紫外光照射による光電気化学水分解反応である本多 – 藤嶋効果の発見をきっかけとして、近年では可視光に応答して水を分解可能な粉末光触媒も見出されている。我々は、最近実用的な人工光合成デバイスとして、2段階励起による水分解水素製造が可能な多孔質光触媒粒子膜を開発した。
 本講演では、水分解光触媒のデバイス化を中心に、その現状と課題について紹介する。

  1. はじめに
  2. 水素製造用光触媒デバイスの開発状況
    1. デバイス比較
    2. 現状の課題
    3. 新たな粒子膜デバイスの提案
  3. 直接接触型Zスキーム水分解可能な光触媒複合微粒子膜の開発
    1. 本系での狙い
    2. SrTiO3系可視光応答性水素生成光触媒の新規微粒子合成法の開発
    3. 可視光応答性酸素生成光触媒BiVO4の新規微粒子合成法の開発
    4. 光触媒複合微粒子膜を利用した直接接触型Zスキーム機構による可視光水分解
  4. 金コロイドを含む塗布型光触媒シートの開発
    1. 本系での狙い
    2. 金コロイドを含む塗布型光触媒シートの物性と可視光水分解活性
    3. アモルファス金属酸化物被覆による圧力依存性改善
  5. 透明導電性コロイドを導入した塗布型光触媒シートの開発
    1. 本系での狙い
    2. 透明導電性コロイドを含む塗布型光触媒シートの物性と可視光水分解活性
    3. 励起キャリアの時空間分布可視化による光触媒シートによる水分解反応機構の解明
  6. おわりに
    • 質疑応答

講師

  • 由井 樹人
    新潟大学 大学院 自然科学系
    准教授
  • 工藤 昭彦
    東京理科大学 理学部第一部 応用化学科
    教授
  • 徳留 弘優
    TOTO 株式会社 総合研究所
    主席研究員

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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