技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品 / 抗体医薬品の精製技術と品質分析

バイオ医薬品 / 抗体医薬品の精製技術と品質分析

~開発実例をもとにコスト削減 / 効率化のコツと今後の開発動向を探る~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、バイオ医薬の精製プロセスについて、特に抗体医薬のアフィニティクロマトグラフィー精製工程を中心に概説いたします。
また、デファクトスタンダートリガンドであるプロテインAの代替リガンドの開発動向について、講師の試みを含めて紹介いたします。

開催日

  • 2020年2月27日(木) 12時30分 16時30分

プログラム

 抗体医薬品を始めとするバイオ医薬品 (生物学的製剤) は、化学合成医薬品と多くの点で異なる。なかでも、生物を利用して生産されることと、不安定な巨大高分子で複雑な構造であることの2点は本質的な違いである。バイオ医薬品の製造と品質管理に関しては、化学合成医薬品とは全く異なる専門的な知識と先進的な技術が不可欠であり、別次元の環境と体制の整備を製造業者に強いている現況がある。これらは、まさに上記の二つの本質的相違に因るものである。バイオ医薬品の製造と品質管理を正しく理解することは、その業務を担当する者はもちろん、直接携わらない者にとっても大変重要である。
 本セミナーでは、まず、バイオ医薬品の精製技術、特に抗体医薬品のプロテインAアフィニティークロマトグラフィーについて、その基本的事項を概説する。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーをはじめとする各種の精製技術は、バイオ医薬品製造における不可欠な単位操作であり、製造コストに占める比率も大きいことから、その理解はバイオ医薬品製造の生産性向上あるいは経営的改善に有益である。デファクトスタンダートリガンドであるプロテインAの代替リガンドの開発動向について、筆者らの試みも含めて紹介する。
 続いて、品質分析に関して解説する。治療用モノクローナル抗体は、その効用と安全性を保証する必要があることから、厳格な品質管理が行われている。その中心は、多角的な理化学分析試験の実施である。分子構造、物理化学的性質、生物学的性質、不純物などの項目に関して、最新の科学的知見に照らし妥当であり、高い信頼性の結果を与える分析方法を用いて、あらかじめ定めた規格に合致していることを確認することが求められている。本セミナーでは、バイオ医薬品の品質分析に関する現状を概説するとともに、今後の課題と最新の技術開発状況に関して紹介する。

  1. バイオ医薬品の製造工程の全体像
    1. バイオ医薬品の定義と特徴
    2. バイオ医薬品の製造プロセス
      1. 製造施設のイメージ
    3. アップストリーム
      1. 細胞基材、遺伝子発現構成体
      2. 培養工程の流れ
      3. シングルユース
      4. 培養工程の特徴、プロセスコントロール
    4. バイオ医薬品製造の留意点
  2. バイオ医薬品のダウンストリーム工程の概要
    1. 精製プロセスの目的
    2. バイオ医薬品を構成する成分の基本概念
      1. 不純物のタイプ
    3. バイオ医薬品精製のながれ
    4. 精製プロセスの単位操作
      1. 細胞分離、濃縮、最終精製、ウイルス除去
      2. クロマログラフィー用ゲル
    5. プロセスの最適化
  3. 抗体医薬品のクロマトグラフィー精製
    1. 抗体医薬品の特徴
      1. 抗体の生産法
      2. 抗体医薬品Remicade®の精製ステップ
    2. プロセスクロマトグラフィーの要件
    3. 精製プラットホーム
      1. 各種クロマトグラフィーの特徴
    4. 抗体医薬品のクロマトグラフィー関連市場
  4. アフィニティリガンドの科学と開発
    1. アフィニティリガンドとは何か
    2. プロテインAと抗体のタンパク質科学
      1. 配列、構造、種依存性、バイオインフォマティクス
      2. 相互作用の制御と溶出メカニズム
    3. プロテインAアフィニティ担体
      1. 種類、プロセス開発、性能、問題
      2. コストシミュレーション
  5. バイオ医薬品の品質分析試験
    1. 品質分析の概要
    2. 品質分析の目的・原則
    3. 品質分析のガイドライン (ICH-Q6など)
    4. バイオ医薬品を構成する成分
    5. 申請前の品質分析
    6. 申請後の品質分析
    7. 品質分析試験項目の設定
    8. 品質分析の留意点
    9. 試験における課題
  6. 原薬不均一性評価技術の開発
    1. 分子不均一性の影響
    2. FDAの指摘
    3. 翻訳後修飾に伴う不均一性評価
    4. 凝集化に伴う不均一性評価
    5. 立体構造変化に伴う不均一性評価
    6. 不均一性評価技術の開発状況
    7. ケーススタディ
    8. 最新動向
  7. まとめ

会場

江東区産業会館

第2会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/26 化学物質を扱う研究所における法規制に準拠した「薬品管理」の進め方 オンライン
2024/4/26 製造員、試験検査員、品質保証員のGMP教育訓練と実効性評価 オンライン
2024/4/26 製品品質照査の活用による製造工程、原料・資材及び製品規格の妥当性検証 オンライン
2024/4/26 GMP監査と当局査察・無通告査察対応セミナー オンライン
2024/4/26 改正GMPに対応した製品品質照査とCAPAの具体的進め方 オンライン
2024/4/26 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/4/26 バイオ医薬品に残存する宿主細胞由来タンパク質 (HCP) の測定並びに原因と改善策を含めた品質及び安全性に及ぼす影響 オンライン
2024/4/26 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/4/30 医薬品・バイオ技術のライセンスと研究提携における「経済条件」 の決め方及びリスク対策 オンライン
2024/4/30 新規モダリティにおける特許の現状および特許戦略 オンライン
2024/5/1 安定性試験実施の留意事項と安定性試験結果の統計解析/安定性予測・評価方法および有効期間の設定 オンライン
2024/5/1 ラボでの電子実験ノート管理・運用における経験からわかった電子情報管理の問題点・解決とDXの進め方 オンライン
2024/5/7 GMP査察の指摘事項をふまえたQA・バリデーションの考え方と対応/回答時の留意点 オンライン
2024/5/7 医薬品開発における事業性評価・ポートフォリオ分析と意思決定手法 オンライン
2024/5/7 安全性定期報告書等の作成にむけた安全性集積データの見方・評価と文章作成のコツ オンライン
2024/5/7 非GLP試験の書面調査と過剰に陥らない効率的な信頼性確保の基準 オンライン
2024/5/8 国内外査察指摘をふまえたGMP記録の残し方・管理と逸脱・OOS・OOT発生時の対応 (処理手順/フロー/線引き) オンライン
2024/5/8 化学プロセスのコスト削減 オンライン
2024/5/8 リアルワールドデータ (RWD) を活用するための薬剤疫学基礎セミナー オンライン
2024/5/8 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2020/12/24 バイオ医薬品 (抗体医薬品) CTD-CMC記載の要点
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用