技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウムイオン電池や全固体電池におけるバインダーの材料設計、密着性向上、評価解析

リチウムイオン電池や全固体電池におけるバインダーの材料設計、密着性向上、評価解析

~高容量、高電圧電極を保持するバインダー選定とプロセス設計とは~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、バインダー材料の設計、イオン伝導性の阻害要因とその回避、負極の膨張・変形に追従できる「柔軟なバインダー」、「リチウムイオン電池」と「全固体電池」でのバインダーに求められる性能や機能の違いについて詳解いたします。

開催日

  • 2020年2月17日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 リチウムイオン電池や全固体電池におけるバインダーの概要、役割について

(2020年2月17日 10:00〜12:00)

 バインダーはリチウムイオン電池の中でわずかに数%を占めるだけの材料であるにも関わらず電池製造のカギを握っていると言っても過言ではありません。正極で主に用いられるPVDF系バインダーの基礎から全個体電池対応など、幅広く解説いたします。

  1. リチウムイオン電池業界の動向
    • 市場規模推移
    • 業界動向
    • 気になる動向
  2. バインダーの基礎 (役割)
    • バインダーの役割
    • 個別の役割の解説
  3. なぜPVDFなのか
    • 化学的安定性
    • 電気化学的安定性
    • 接着性
  4. PVDFの特徴
    • PVDFってどんなもの?
    • PVDFの製法
    • 乳化重合と懸濁重合
  5. リチウムイオン電池に求められる性能とバインダーの関係
    • リチウムイオン電池に求められる性能
    • 個々の要求に対するバインダーからの対応
    • 高接着性バインダー
    • 水系バインダー
    • セパレーターコーティング用バインダー
  6. 高電圧化、高容量化、長寿命化
    • 正極高電圧化
    • 負極高容量化
    • 長寿命化
  7. 次世代の電池への対応と新グレード
    • 全個体電池の要求
    • 全個体電池用バインダーとしての可能性
    • 質疑応答

第2部 水系バインダーの設計、その応用

(2020年2月17日 12:40〜14:00)

 リチウムイオン電池に使用される水系バインダーの機能について、プロセス材および内部構成材の両面から理解を深めることができる。最新の電池セルが抱える技術的課題に対して、バインダーからの解決方法とそのポイントを把握することができる。

  1. 電池バインダーの機能
    1. プロセス材としてのバインダーの機能
      1. 分散性の制御について
      2. 結着性の制御について
    2. 内部構成材としてのバインダーの機能
  2. バインダー機能と電池性能
    1. セルの技術的課題とバインダー機能
    2. 正極用水系バインダーによる高電位耐性
    3. 新しい電池設計への対応
    • 質疑応答

第3部 無機バインダの特性とそれを用いた合金系電極の開発、その応用

(2020年2月17日 14:10〜15:30)

 リチウムイオン電池の高容量化を図るため、従来の黒鉛の数倍の高容量化が見込まれるシリコン系負極の開発が進められている。しかし、電極バインダの種類や使い方によって、電極特性に大きな差が確認される。
 本講演では、主にシリコン系負極の開発について取り上げ、特に無機バインダを用いたシリコン負極の電池特性と安全性について紹介したい。また、無機バインダを被覆した正極材料についても解説する。

  1. リチウムイオン電池の市場動向と基本原理
  2. リチウムイオン電池の製造工程
  3. 合金系負極の開発
    1. シリコン系負極の特徴と周辺技術の開発動向
    2. 無機バインダを用いた負極の開発
  4. ニッケル系正極の開発
    1. 炭酸中和法
    2. 無機ケイ酸コート正極の開発
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

第4部 リチウムイオン電池構造解析の非破壊検査

(2020年2月17日 15:40〜17:00)

 マイクロフォーカスX線検査の基礎から応用まで、革新技術による観察応用事例を豊富に取り上げ解説。リチウムイオン電池の充放電による内部状態の変化や材料の三次元構造事例の紹介する。

  1. X線の基礎
    • 歴史
    • 透過
    • 拡大投影法の原理
  2. X線透視装置
    • 最新モデルの原理から応用事例紹介
  3. X線CT装置
    • メディカルCTとの違い
    • 高速演算システムのご紹介
  4. リチウムイオン電池におけるアプリケーション
    1. 大型車載リチウム電池の解析事例紹介
    2. リチウムイオン電池の故障解析、構造解析
    3. リチウムイオン電池の膨張内部可視化 (バインダーを含む)
    4. リチウムイオン電池の製造検証
      • リバースエンジニアリング
      • 形状比較
    • 質疑応答

講師

  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 山本 徳一
    日本ゼオン 株式会社 総合開発センター 機能性材料研究所
    チームリーダー
  • 山下 直人
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技術研究部門
  • 夏原 正仁
    株式会社 島津製作所 分析計測事業部
    ビジネスユニット長 (部長)

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/10 材料化学から見た「全固体電池」の課題とその解決に向けた最新研究開発動向 東京都 会場・オンライン
2024/5/17 入門 インピーダンス測定法とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/17 電力・ガス業界のしくみ・ビジネス概説と秘話 東京都 会場・オンライン
2024/5/24 カーボンナノチューブの基礎とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/27 燃料電池・水電解の基本および最新技術動向 オンライン
2024/5/28 車載電池・リチウムイオン電池の爆発・火災事故の傾向、 その安全性向上技術、過酷試験の進め方、規制対応 オンライン
2024/5/30 EVを始めとした次世代自動車の普及展望とリチウム、コバルトなどLiB用金属資源の今後 オンライン
2024/5/31 リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化 オンライン
2024/5/31 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン
2024/6/4 欧州のxEV及び電池業界動向 東京都 オンライン
2024/6/7 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン
2024/6/12 EV用リチウムイオン電池および全固体電池のリサイクル オンライン
2024/6/17 リチウムイオン電池の開発方向性と寿命・SOH推定の考え方 オンライン
2024/6/19 電気化学測定の基礎と実験データの解釈のポイント オンライン
2024/6/19 電気自動車におけるバッテリーマネジメントの基礎知識 オンライン
2024/6/20 燃料電池、アンモニア、水素を取り巻く最新動向と今後のビジネス・チャンス オンライン
2024/6/27 リチウムイオン電池のリサイクル・リユースの動向と今後の展望 オンライン
2024/6/28 バッテリーマネジメント用リチウムイオン電池のインピーダンス測定の考え方 オンライン
2024/7/12 基礎から学ぶバッテリマネジメントシステムの技術・バッテリパックの設計手法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2017/4/21 2017年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望
2017/3/10 ZEV規制とEV電池テクノロジー
2017/2/28 全固体電池のイオン伝導性向上技術と材料、製造プロセスの開発
2017/2/24 2017年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2016/8/26 2016年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2016/8/26 リチウムイオン電池の製造プロセス&コスト総合技術 2016
2016/2/26 2016年版 車載用・産業用蓄電池市場の実態と将来展望
2015/12/8 2016年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2015/8/21 2015年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2015/8/17 バッテリー関連技術〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2015/8/17 バッテリー関連技術〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2015/6/30 導電性フィラー、導電助剤の分散性向上、評価、応用
2015/6/26 2015年版 民生機器用蓄電池市場の実態と将来展望
2015/6/26 2015年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望
2015/5/29 2015年版 水素燃料市場・関連技術の実態と将来展望
2015/2/27 2015年版 車載用・産業用蓄電池市場の実態と将来展望
2015/1/30 2015年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2014/12/19 2015年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2014/11/25 リチウムイオン電池〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/11/25 リチウムイオン電池〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書