短期開発が求められる中で、加速試験の活用が求められます。加速試験は通常よりも厳しい条件を設けて、短期間に信頼性を確認できるので、その条件や方法が注目されますが、本来の狙いは、効率的な開発のために、故障解析などのノウハウを活用して技術課題の早期改善につなげるものです。
　信頼性は時間という要素を持つ品質特性で、その範囲はディペンダビリティ (総合信頼性) として安全や保全性などへと拡大しています。不具合を「見つけて治す」だけで、高い信頼性の製品を効率よく開発することはできません。
　この講座では実務者を対象に、信頼性と加速試験の考え方について基本的なモデルとデータ解析方法を交えて、効率的な製品開発という観点から、加速試験の特徴と基本を踏まえた運用と注意すべきポイントについて紹介します。

1. 品質保証と信頼性
   1. 企業競争力と品質保証
   2. 時間依存の品質、ディペンダビリティ (総合信頼性) の特徴
   3. 信頼性の基礎概念と保証の難しさ
2. 信頼性をどうつくるか
   1. 信頼性の設計・評価と信頼性試験が必要な理由
   2. 設計ノウハウの伝承と信頼性試験の役割
   3. 定型試験と非定型の信頼性試験の特徴と注意
   4. 最小の試験規模、サンプル数の決め方【演習付き】
   5. 信頼性データの特徴と解析上の注意点
   6. 時間データの解析 (ワイブル解析) と結果の見方【演習つき】
3. 加速試験の概念と役割
   1. 信頼性試験/加速試験の種類と実施上の注意
   2. 新製品開発における加速試験の位置づけ
   3. 定量的加速試験と定性的加速試験
   4. 加速試験のメリットと限界,運営上の注意点
   5. 信頼性加速試験の国際規格 (IEC62506) の概要
4. 加速試験の種類と注意点
   1. 製品開発と加速試験の実施時期
   2. 信頼性予測の目的と加速試験の役割
   3. 信頼性改善のためのモデルの活用
   4. 故障物理モデルの活用 【演習】
      • アレニウスモデル
      • SSモデル 他
   5. 故障物理モデルと数理モデル
5. 加速試験の進め方の実際
   1. 機器の加速試験の役割・特徴と実際
   2. 部品の加速試験の役割・特徴と実際
   3. 信頼性の設計と評価における加速試験の活用とポイント
   4. 活用事例と加速試験マネジメントの要点
6. 質疑応答