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防曇、防汚技術と自動車部材への応用

防曇、防汚技術と自動車部材への応用

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、曇りにくいガラスの開発、車載センサへの防汚技術、自動車における防曇技術・防汚技術についてウィンドシールド、車載センサへの応用事例を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2019年10月30日(水) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 防曇に関わる製品の技術者、研究者、開発者
    • 自動車用窓
    • 太陽電池パネル
    • ディスプレイ
    • 光学レンズ
    • 医療用品
    • 食品包装

修得知識

  • 曇りの発生原因と対策
  • 曇りと材料表面の濡れ性との関係
  • 防曇処理に適切な表面設計
  • 防曇処理の長寿命化

プログラム

第1部

(2019年10月30日 10:00〜11:30)

 透明基材表面に微小水滴が付着すると“曇化 (曇り) ”が発生する。曇化を防止する防曇処理は、安心・安全、快適性、機器の信頼性や効率化の観点から、我々の日常生活において極めて重要な表面処理の一つである。本講演では、曇化をぬれの観点から考え、防曇表面をいかにデザインするか? 親水性、撥水性のいずれが好ましいのか?これまでの研究事例を紹介しながら分かりやすく解説する。

  1. ぬれの基礎
    1. 静的接触角
    2. 親水性/超親水性表面とは?
    3. Cassieの式 (凹凸表面におけるぬれ)
    4. Wenzelの式 (複合表面におけるぬれ)
    5. 親水性/超親水性を得るためには?
  2. 防曇処理の研究事例
    1. 曇り (曇化) のメカニズムとぬれ性制御
    2. 防曇処理のカテゴリー
    3. 最新の防曇 (親水性/超親水性) 処理の研究開発動向
      1. 表面の親水化/撥親水化
      2. 表面の両性 (親水/撥水) 化
      3. 表面の親水/撥油化
    4. これまでの親水性/超親水性表面の問題点
  3. 最新の研究開発動向
    1. 自己修復型防曇皮膜の現状
    2. 膨潤により自己修復する多機能透明防曇皮膜
      • 自己修復性
      • 抗菌性・抗カビ性
      • 防汚性
  4. まとめと今後の展開
    • 質疑応答

第2部 無荷電化膜防汚技術の開発と車載部材への応用可能性

(2019年10月30日 12:10〜13:40)

 今後、自動車の所有・運転形式が変化する可能性が予測されたり、自動運転システムの正常な可動を維持するために、センサー受発信基体表面の正常化維持のための機能技術の可能性を提案する。

  1. 開発の背景
  2. 基体表面保護技術に用いる機能化原理
    1. 正電荷・両性電荷 (親水・撥水) 膜の形成・機能化原理
    2. 無荷電化膜の形成および機能化原理
  3. 正・両性電荷膜および無荷電化膜による車載部材 (基材) への基体保護機能付与
    1. 防汚機能評価例
    2. 高分子樹脂表面劣化低減評価例
    3. 評価例
  4. 車載部材 (基材) への各種基体保護機能評価
    1. 防汚機能評価例
  5. 今後の技術開発について
    • 質疑応答

第3部 ウィンドシールドへの防曇コーティング技術とその効果

(2019年10月30日 13:50〜15:20)

 AGCは、自動車のウィンドシールド用途の防曇コーティング (eXeview) を2019年に世界で初めて実用化しました。コーティングの主材料は樹脂であり、空気中の水分を吸収することで防曇機能を発現します。吸水性能と耐久性を高いレベルで両立することは非常に難しいですが、AGC独自の材料技術によって車内の過酷な環境にも耐え得る品質を達成しました。本講座では、自動車用途における防曇機能のニーズや商品価値、コーティングの設計思想と要素技術について解説します。

  1. 曇り
    1. 発生要因と解決方法
    2. 防曇コーティング
  2. 防曇機能の基本原理
    1. 親水タイプ
    2. 吸水タイプ
  3. 自動車窓ガラスにおける防曇機能のニーズ
    1. 一般アンケート調査
  4. AGC吸水防曇コーティング『eXeview』の概要と商品価値
    1. 膜構成と材料設計
    2. 自動車用コーティングにおいて要求される耐久性
    3. 評価技術
    4. 吸水性能と耐水性を両立する技術
    5. 品価値の見える化技術
    6. 製品デモ後の市場調査結果
    • 質疑応答

第4部 生体模倣技術を活用した防曇技術と自動車部材への応用

(2019年10月30日 15:30〜17:00)

 バイオミメティクス (生体模倣) とは、生物の構造や機能など生物が持つ優れた機能を模倣し工学のレベルでの応用、展開を目的としている分野である。バイオミメティクスの代表的な例としてはハスの葉が有名である。ハスの葉の表面には微細な凹凸構造があり、接触面に多くの空気の層をつくることで物質の付着を防止している。この構造を模倣し、環境負荷が問題になっているフッ素系の疎水性物質を過剰に使用せずに、強力に液体をはじく防汚性超撥水コーティングが開発されている。生物の機能から着想したモノ作りは、これからの省エネ社会の材料開発に新しい潮流を生み出すことが期待できる。
 本セミナーでは、バイオミメティクスの中でも主に表面・界面の機能化にかかわる内容に焦点をあてる。まずバイオミメティクスの概念や機能発現の仕組み、液体と表面との関係等を理解し、実際のバイオミメティック表面の制御をどのように行っていくか、超撥水・超親水化技術などの様々な展開例をふまえ、その解析から応用までをステップを追って学習する。最後には、バイオミメティクスで実現可能な未来材料開発に向けて、その着想に役立つ情報についても言及していく。

  1. バイオミメティクスとは
  2. バイオミメティクスを実現するためには ~その構造と発現する機能~
    1. 蓮の葉の例
    2. モルフォチョウの翅の例
    3. 蛾の目の例
    4. ヤモリの脚の例
    5. 鮫の表面の例
  3. 液体と表面の関係を理解する
    1. 液体と表面の物理的な関係
    2. 液体と表面の関係の評価法
    3. 静的と動的な濡れ性の評価法
    4. 親水性と疎水性が発現するメカニズム
    5. 表面処理による濡れ性の制御
    6. 表面構造による濡れ性の制御
  4. バイオミメティック表面・界面における液体操作法
    1. 液体輸送デバイスの作製・制御法
    2. 生物表面の流路解析
    3. 生物模倣流路の設計
    4. 生物模倣流路の制御法
    5. 防曇効果を利用したデバイス
    6. 液体操作メカニズムの耐久性
    7. バイオミメティクスによる新材料開発の着眼点
    • 質疑応答

講師

  • 穂積 篤
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 構造材料研究部門 材料表界面グループ
    研究グループ長
  • 緒方 四郎
    サスティナブル・テクノロジー 株式会社
    代表取締役
  • 杉原 洋亮
    AGC 株式会社 技術本部 材料融合研究所 機能部材部 コーティングチーム
    マネージャー
  • 石井 大佑
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 生命・応用化学専攻
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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