技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

濃厚系・非水系・多成分系での微粒子/ナノ粒子の分散・凝集制御技術

厄介な分散系

濃厚系・非水系・多成分系での微粒子/ナノ粒子の分散・凝集制御技術

~一筋縄ではいかない分散系を手懐けるために~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、「濃厚系」「非水系」「多成分系」の分散の諸問題の解決のために表面自由エネルギー、SP値・HSP値に基づくぬれ・分散化の考え方、静電反発力および立体反発力による安定化理論をどのように適用すれば問題を解決できるか、基礎から分かりやすく説明いたします。

開催日

  • 2019年10月18日(金) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 濃厚系、非水系および多成分系の分散・安定化における問題点と対策
  • ぬれ不良・安定化不良の要因と対策
  • 分散剤の選択と表面改質、分散・安定性試験法

プログラム

 微粒子分散系はもともと取り扱いの厄介な系ですが、中でも濃厚系、非水系および多成分系はそれぞれ多くの問題を抱えていますから、分散・凝集の制御一つとっても一筋縄ではいきません。たとえば濃厚系では、隣接粒子間の多体効果が原因で静電反発力による安定化は難しく、その傾向は非水系でより著しくなります。また多成分系でも、大きさの異なる粒子間や種類の異なる粒子間におけるヘテロ凝集や、多成分樹脂の相分離性とフィラーの局在化など様々な課題があります。
 厄介な分散系を手懐けるためのツールとしては、溶解度パラメータ (SP値・HSP値) がメインですが、分散・凝集の制御はSP値・HSP値のみで説明できるほど簡単ではありません。そこでSP値・HSP値の兄弟分でもある表面エネルギーや酸塩基特性なども活用し、ぬれ/分散化に向けた溶媒/樹脂の選択および表面修飾と評価法、ならびに濃厚系、非水系の長期安定化に適した新タイプを含む分散剤/界面活性剤の使用法と最適選択に必要な手順を、基礎から分かりやすく説明します。

  1. 微粒子分散系の諸課題
    1. 濃厚系における課題
      • 凝集性
      • 分散剤の選択
      • ゲル化など
    2. 非水系における課題
      • 分散剤の溶解性
      • 溶媒の溶解力
      • 界面活性剤の選択など
    3. 多成分系における課題
      • ヘテロ凝集
      • 多成分系の粒度調整
      • 樹脂の相分離性とフィラーの局在化など
  2. 化合物や粒子表面の溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方
    1. 分散系の熱力学と溶解度パラメータの由来
      • 混合ギブスエネルギー変化
      • 相互作用パラメータ (χパラメータ)
    2. HildebrandのSP値とHansenのSP値
      • Hansen球
      • 三角線図
        • Teas線図
        • てこの法則
      • 相互作用距離
    3. 化合物のSP値・HSP値の求め方
      1. 原子団寄与法とソフトウェアHSPiPの利用
        • Fedors法
        • van Krevelen&Hoftyer法
        • Hoy法
        • Stefanis&Panyiotou法など
      2. 溶媒/高分子の溶解・膨潤による測定法
        • 濁点滴定法
        • Hansen球法
        • 二成分溶媒勾配法
        • 固有粘度法など
      3. インバースガスクロマトグラフィー法
    4. 粒子表面のSP値・HSP値の求め方
      1. 凝集・沈降法
        • 界面沈降法
        • 分散濃度法
        • 沈殿体積法
        • グラインドゲージ法など
      2. インバースガスクロマトグラフィー法
  3. 非水系 (水系) におけるぬれ/分散化の制御
    1. SP値・HSP値 (Hansen球) によるぬれの評価と応用例
    2. 表面エネルギーによるぬれの評価と応用例
      1. 接触角、界面張力および付着仕事
      2. 表面張力/表面エネルギーの測定法
        • 接触角法
        • インバースガスクロマトグラフィー法
      3. ぬれの形態とwetting envelopeの利用法
      4. wetting coefficientによるフィラー局在化の評価
  4. 濃厚系・非水系・多成分系における長期安定化の制御
    1. 粒子間に働く引力の制御
      1. van der Waals引力
      2. Hamaker定数と有効Hamaker定数
      3. ヘテロ系におけるvan der Waal引力
      4. 多成分系における枯渇引力
    2. 粒子間に働く静電反発力の制御
      1. 拡散電気二重層およびゼータ電位とその測定法
      2. 水系における静電反発作用
      3. 非水系における静電反発作用と濃厚系の多体効果
      4. ヘテロ凝集の制御とその応用
    3. 粒子間に働く立体反発力の制御
      1. 浸透圧効果と体積制限効果
      2. 溶媒の溶解力と立体反発作用
      3. 高分子ブラシを用いた立体反発作用
      4. 水溶液中のイオン性分散剤を用いた静電立体反発作用
  5. 濃厚系・非水系における分散剤の選択および表面修飾とその評価法
    1. 分散剤の選択
      1. 分散剤構造と吸着形態
      2. 非水系における分散剤の溶解性
      3. 分散剤の吸着性および酸塩基特性とその求め方
      4. 高分子ブラシ用分散剤
      5. 水溶液中の強化型静電立体反発用分散剤
    2. 表面修飾とその評価法
      1. 表面修飾の物理化学的手法
      2. 界面活性剤のHLB値と吸着特性
      3. 界面活性物質による表面修飾と各種パラメータを用いた評価法
        • SP値・HSP値、表面エネルギー、酸塩基特性など
      4. シラン化およびグラフト化による表面修飾と評価法
  6. 濃厚系・非水系・多成分系における分散安定性試験法
    1. フロック径法
      1. 画像解析法
      2. 濃厚系におけるグラインドゲージ法
      3. 超音波減衰分光法
    2. 凝集・沈降法
      1. 界面沈降速度法
      2. 濃厚系における沈殿体積法
      3. 濃厚系における毛管吸引時間 (CST) 法
    3. 濃厚系におけるレオロジー法
      1. 流動曲線と降伏値
      2. チキソトロピーと測定法
      3. 動的粘弾性と応用例
    • 質疑応答

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第3講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 47,020円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 47,020円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/29 高分子微粒子における各種合成法の基礎と形状制御・評価技術 オンライン
2024/5/29 高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計 オンライン
2024/5/29 高品質化に向けた乳化・分散・溶解・攪拌技術の基礎および化粧品・皮膚外用剤への応用 オンライン
2024/5/29 EUVレジスト材料開発と評価・プロセス技術 オンライン
2024/5/30 高分子材料の劣化 オンライン
2024/5/30 溶解度パラメータ (3D, 4DSP値) の基礎と活用技術 オンライン
2024/5/30 エポキシ樹脂の基礎と設計・制御・評価・応用技術の必須知識 オンライン
2024/5/30 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2024/5/30 高分子材料の構造・物性とラマン・赤外分光法による評価 オンライン
2024/5/30 炭素繊維強化プラスチック (CFRP) オンライン
2024/5/31 電動化 (EV駆動等) モータと回路基板の高電圧化・高周波化・熱対策に向けた、樹脂材料開発と絶縁品質評価技術 オンライン
2024/5/31 樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方 オンライン
2024/5/31 リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化 オンライン
2024/5/31 Tダイ成形機の基礎とフィルム成形トラブル対策 会場
2024/5/31 二酸化炭素 (CO2) 、二硫化炭素 (CS2) を原料とする高分子材料の合成技術と応用 オンライン
2024/5/31 溶融紡糸の基礎と工業生産技術及び生産管理の実践 オンライン
2024/6/3 高品質化に向けた乳化・分散・溶解・攪拌技術の基礎および化粧品・皮膚外用剤への応用 オンライン
2024/6/4 乳化・懸濁重合の反応機構と装置設計、重合反応の制御 オンライン
2024/6/4 ものづくり・問題解決のための機器分析の考え方と進め方 オンライン
2024/6/4 摩擦振動と異音の発生メカニズムと抑制・対処方法 オンライン