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海洋プラスチック汚染問題を回避するための生分解性プラスチックの材料・製品設計指針

海洋プラスチック汚染問題を回避するための生分解性プラスチックの材料・製品設計指針

愛知県 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、ポリ乳酸を中心とする生分解性プラの基礎・応用研究から技術・事業開発までを成し遂げた当分野のパイオニア的存在、望月氏を講師に招き、「海洋汚染」と「生分解性プラスチック」について詳細に解説いたします。

開催日

  • 2019年4月16日(火) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの存在意義・役割
  • 地球環境保全と資源循環型社会に向けての世界の法規制動向と基準認証制度
  • 生分解性プラスチックの最新技術 (材料設計と成形加工) と用途・製品開発動向
  • 自然界に流出し易い使い捨てプラや農林・土木・水産資材の材料・製品設計指針

プログラム

 地球上に生命が誕生しておよそ38億年、地球上の生命体が生み出す全ての高分子化合物は生分解性であり、そこには自然界の真のリサイクルシステムである物質循環 (炭素循環) が成立し、これまで地球は決して廃棄物で埋まることはなかった。例えば、海洋中にはこれまで大量の流木や草本が流れ込んでいるにもかかわらず、自然生態系は泰然として健全に維持されてきた。しかるに、石油を原料とする非生分解性のプラスチックが出現してわずか60年後の今日、私達は今や深刻な海洋プラスチック汚染問題に直面している。
 私達は海洋プラ汚染問題を解決する生分解性プラスチックの材料・製品設計において、海水中での分解速度の速さを競うような小児病的短絡思考から早期に脱却し、自然界の叡智である天然の生分解性構造材料としての木材や草本の植物細胞壁成分であるリグノセルロースに学ばなくてはならない。先般の多大な参加者の下に盛況理に開催することができた第一回セミナーに引き続き、今回は第二弾として海洋プラ汚染問題を回避するための生分解性プラの具体的な材料・製品設計指針を皆様方と共に考える場としたい。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
    1. 自然生態系の摂理
      1. 地球上に生命が生まれて38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
      2. 自然界の生物が合成する高分子化合物は全て生分解性 (土に、海に還る!)
      3. 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
    2. 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
      1. “グリーンプラ”マーク
        • 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
      2. カーボン・フットプリント
        • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    3. 持続的な資源循環型社会の建設のために
      1. 欧米グリーンガイド指針
        • biodegradableではなくcompostable
      2. バイオリサイクルによる再資源化
        • 堆肥化又はバイオガス化
      3. Compostable (堆肥化可能) 認証基準
        • EN13432
        • ASTM D6400 他
    4. 世界のプラスチックや有機廃棄物に関する規制・法制化動向や業界動向
      1. 欧州
        • イタリア
        • フランス
        • ドイツ
        • 欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定!
      2. アジア
        • 日本
        • インド
        • 台湾
      3. 世界ラーメンサミット「大阪宣言」
        • ラーメン容器を生分解性プラに変換へ
  2. 海洋プラスチック汚染問題と生分解性プラスチック
    1. 海洋プラスチック汚染の実態
      • 地中海
      • 南アジア
      • 太平洋
      • 北極海
      • 琵琶湖
        1. 海洋中に流入する廃棄プラスチックの多い10河川や地域
        2. 魚、貝や鳥類、そしてプランクトン体内から無数のマイクロプラスチック
          → 食物連鎖の頂点に位置する人間の体内からも
        3. 犠牲の野生動物…毎年100万羽以上の海鳥と10万頭以上の哺乳動物、海亀
    2. 生分解性プラスチックの存在意義と役割
      1. 国連環境計画「生分解性プラはあまり役に立たない」…軽薄にして短小な論理
      2. 海洋プラ濃度の経年変化 (累積増加) 曲線…非生分解性プラスチックと生分解性プラの比較
      3. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
      4. マイクロチップは太古の昔より存在した?…海洋に流入する流木等の草木類
      5. 紙製ストローもマイクロチップのかたまり!?
      6. 自然生態系が許容し得る生分解速度 (ポジティブ・コントロール) …律速分子はセルロースではなくて、リグニン!?
      7. 自然生態系が許容し得る低濃度レベルとは?
    3. 生分解性プラスチックの海水中での分解挙動
      1. 温暖域表層海水中での分解挙動
        • PLA
        • PBS
        • PCL
        • PHBH
      2. 深層低温海水中での分解挙動
        • PCL
        • PHBH
        • PBS
        • ポリ乳酸 (PLA) は海水中で完全に生分解するのか、しないのか?
    4. 海洋プラ汚染を回避するための材料・製品設計指針
      1. 製品寿命と分解速度の最適バランス
        • 水産・養殖資材を例として
      2. 製品寿命:できるだけ長く
      3. 分解速度:自然生態系が許容するリグニンと同等以上 (3~5年?)
        • 先ず製品寿命 (奉仕期間) の確保が第一義的に重要、分解速度の速いものはゴミの拡大再生産!
      4. 最適の素材選定と材料設計…ポリ乳酸を主体とする材料設計
    5. 海洋プラ汚染を回避するための総合対策
      1. 廃棄プラの分別収集と3Rの推進
      2. ノルウェーやスウェーデンにおけるデポジット制度
      3. 京都市における2R (リデュース、リユース) の推進
      4. ポイ捨て禁止の社会的規範や道徳の涵養
      5. 使い捨て製品や生ゴミ袋等の生分解性素材への転換と再資源化
        • 北海道富良野市近隣5市町村 (10万人都市) におけるバイオリサイクル/堆肥化推進
      6. 農林・園芸・土木・水産資材等の生分解性素材への転換
  3. 生分解性プラスチックの分類と基本特性
    1. 生分解性プラスチックの分類
      1. 硬質タイプ
        • ポリ乳酸 (PLA)
        • 生分解性 (バイオリサイクル材) と長期使用耐久性 (構造材料) の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
      2. 軟質タイプ
        1. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT) 系
        2. ポリブチレンサクシネート系
          • PBS
          • PBSA
      3. その他
        • 微生物ポリエステル
          • PHBV
          • PHBH
        • PGA
        • デンプン系
    2. 生分解特性
      1. 生分解挙動
      2. 自然環境下 (土中、海水中など)
      3. バイオリサイクル条件下…好気性下 (堆肥化) 又は嫌気性下 (バイオガス化)
      4. 生分解機構
      5. 酵素分解型…surface erosion (表面から溶かされて行く)
      6. 非酵素分解型 (加水分解型) …bulk degradation (全体的に壊れて行く)
        • PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する!
    3. 安全性/食品衛生性の認証基準
      • 食品衛生法370号
      • ポリ衛恊
      • FCN
      • EU
  4. 生分解性プラスチックの基幹素材としてのポリ乳酸 (PLA)
    1. 第二世代PLA…高L組成ポリ乳酸 (high L PLA) (%D<0.5, Tm=175℃)
      1. D体共重合比 (%D) が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
      2. 高L組成ポリ乳酸の改良効果
        • 耐熱性
        • 寸法安定性
        • 強度
        • 成形加工性
    2. PLAの高性能・高機能化材料設計技術の進展
      1. 耐衝撃性
        • 可塑剤
        • 耐衝撃性改良剤
        • マルチ機能改質剤
      2. 耐熱性
        • 造核剤
        • 結晶化促進剤
      3. 透明耐熱性
        • 溶解型核剤
        • 結晶化促進剤
      4. 耐久性 (耐湿熱性)
        • 加水分解抑制剤
    3. PLAの成形加工と用途・市場開発動向
      1. 成形加工性とは?
      2. 成形加工分野
        • 繊維・不織布・モノフィラメント
        • フィルム・シート
        • 真空・圧空成形
        • 射出成形
        • 発泡成形
        • ブロー成形
      3. 用途・製品・市場開発動向
      4. 食品容器・包装材
        • 青果物容器
        • 使い捨て食器具
        • リターナブル食器
        • ティバッグ
        • 生ごみ水切りネット
      5. 農林・土木・園芸分野
        • 防草シート
        • バーチカルドレインシート
        • 土嚢
        • 植樹ポット
        • 植栽ネット
        • シェールガス採掘用目止材
      6. 生活雑貨分野
        • エコバッグ
        • タオル
        • ワイパー
        • シュリンク包装・ラベル
        • 封筒窓貼り
        • ブリスターパック
      7. 耐久性構造材料
        • 電子機器筐体・部品
        • 自動車内装材
        • ヘルメットライナー
        • 3Dプリンター用モノフィラメント
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

愛知県産業労働センター ウインクあいち

11F 1107

愛知県 名古屋市中村区 名駅4丁目4-38
愛知県産業労働センター ウインクあいちの地図

主催

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受講料

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: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
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  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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