技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

樹脂/繊維、フィラーの複合化に向けた無水マレイン酸変性技術

樹脂/繊維、フィラーの複合化に向けた無水マレイン酸変性技術

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年10月30日(火) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 短繊維強化プラスチックにおける無水マレイン酸系添加剤の役割
  • 無水マレイン酸でポリマーブレンドの相容化を有効に進める手法
  • ポリマーの溶液NMR分析に関するテクニック
  • NMRパルステクニック
  • ポリオレフィンにグラフトした無水マレイン酸のNMRスペクトル解析法

プログラム

第1部 フィラー充填プラスチックにおけるマレイン酸変性樹脂の役割解明のための実験的アプローチ

(2018年10月30日 10:00〜12:00)

 フィラー充填プラスチックの相容化剤として用いられる酸変性樹脂は、効いて当たり前と捉える向きも多い。しかし、確かな実験事実を得るには困難が伴う。本セミナーでは、相容化剤の働きを定量的に解明しようとしている最近の研究例をご紹介する。

  1. 酸変性樹脂の役割と研究法
    1. 酸変性樹脂の役割はわかりきったことなのか?
    2. 酸変性樹脂のはたらき、どう効いているか?
    3. セルロース系フィラーと酸変性樹脂は共有結合しているのか?
    4. そもそも酸変性樹脂の挙動は簡単に分析できるのか?
    5. 一般的な研究例と最近の意欲的な取り組み
  2. フィラー表面への酸変性樹脂の濡れ性評価
    1. 示差走査熱量計による簡便法:昇降温測定
    2. モルホロジー観察
      • 走査型電子顕微鏡
      • 蛍光顕微鏡
    3. フィラー共存下での酸変性樹脂の結晶化挙動の解析
  3. フィラーと酸変性樹脂の相互作用の実態の解明
    1. 相互作用部位の濃縮
      • 酵素分解
      • 溶媒抽出
    2. 分光測定
      • FT-IR
      • NMR
    • 質疑応答

第2部 無水マレイン酸系添加剤を用いた相容化技術

(2018年10月30日 12:50〜14:50)

 無水マレイン酸による反応は高分子複合材料やポリマーブレンドでよく利用されている。本講座では無水マレイン酸が重合されたポリマー添加剤が短繊維強化プラスチックやポリマーブレンドの力学特性に及ぼす影響について、理論と実験結果を併せながら解説する。

  1. 短繊維強化プラスチックの力学特性に関する理論
    1. 短繊維強化プラスチックの降伏条件
    2. 界面はく離
    3. 繊維の引抜け
    4. 繊維の破断
  2. 短繊維強化プラスチックにおける無水マレイン酸系添加剤の役割
    1. ウエルド強さ
    2. 短繊維強化ポリプロピレンのウエルド強さに及ぼす無水マレイン酸変性ポリプロピレン添加効果
    3. 引張強さと繊維配向の関係
    4. 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PP添加効果
    5. 短繊維強化PPの引張強さに及ぼす無水マレイン酸変性PS添加効果
  3. ポリマーブレンドの力学特性に関する理論
    1. 成形加工時に生じる残留ひずみ
    2. 射出成形温度と降伏応力の関係
    3. 射出成形温度と破壊靭性の関係
  4. 無水マレイン酸でポリマーブレンドの相容化を有効に進める手法
    1. PCの加水分解を利用したPC/ABSポリマーブレンドの相容化
    • 質疑応答

第3部 ポリオレフィン系複合材料における無水マレイン酸の分析

(2018年10月30日 15:00〜17:00)

 複合化のキーマテリアルである無水マレイン酸変性 (グラフト) ポリオレフィン (MA-g-PO) について、グラフトした無水マレイン酸 (MA) をNMRによっていかに解析するかを紹介する。

  1. 複合化のキーマテリアル:MA-g-PO
    1. MA-g-POとは
    2. グラフトMA構造解析の従来法と新規解析法
  2. 高感度二次元相関NMR法による末端グラフトMAの直接解析
    1. 各種二次元相関NMR法によるグラフトMAの構造解析
    2. グラフトMAの定量的解析
  3. NMRパルステクニックを駆使したオリゴマーグラフトMAの構造解析
    1. NMRパルステクニック
    2. オリゴマーグラフトMAのNMRスペクトル
    3. MA-g-PO4種のMAグラフト構造
  4. 化学反応とNMR法を組合わせた超微量グラフトMAの高感度分析
    1. グラフトMAの超臨界メタノールによるメチル化反応
    2. メチル化グラフトMAの1HNMR分析
    3. グラフトMAの定量限界
  5. 表面修飾無機フィラーにおけるMAの分析
    1. 表面修飾無機フィラー
    2. 超臨界メタノール処理 – 1HNMR分析
    • 質疑応答

講師

  • 寺本 好邦
    京都大学 農学研究科 森林科学専攻
    准教授 博士
  • 高山 哲生
    山形大学 大学院 有機材料システム研究科
    助教
  • 宮内 康次
    株式会社 UBE科学分析センター 有機材料分析研究室
    室長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/9 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/5/10 エポキシ樹脂用硬化剤の種類、反応機構、選び方、使い方 オンライン
2024/5/10 熱分析の基礎と測定・解析技術 オンライン
2024/5/10 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/5/10 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/5/13 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/13 ラジカル重合による高分子合成 オンライン
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2024/5/14 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン
2024/5/15 高分子の結晶化、結晶高次構造の制御、分析解析、その応用 オンライン
2024/5/15 UV硬化樹脂における硬化不良対策と硬化状態の測定・評価 オンライン
2024/5/15 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2024/5/16 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2024/5/16 金属・セラミックスの焼結技術 オンライン
2024/5/16 繊維リサイクルの最新動向と課題・今後の方向性 オンライン
2024/5/17 エポキシ樹脂の構造、特性と硬化剤の選び方・使い方、トラブル対策 オンライン
2024/5/17 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/20 導電性高分子の基礎と最新の研究動向・応用 オンライン
2024/5/21 高分子材料のモノマー化、解重合反応とケミカルリサイクルの動向 オンライン

関連する出版物