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未来を紡ぐ“ナノファイバー”量産に向けた製法技術の現状と開発動向、製品応用

未来を紡ぐ“ナノファイバー”量産に向けた製法技術の現状と開発動向、製品応用

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年7月25日(金) 10時30分 16時00分

受講対象者

  • ナノファイバーに関連するマーケティング・事業企画・経営企画・事業開発・経営者

修得知識

第1部

  • ナノファイバーの大量生産技術
  • 用途開発にあわせたナノファイバーの役割
  • ナノファイバーの最新動向など

第2部

  • ESD法の致命的な問題点
  • ナノファイバーの可能性 (ナノファイバーで何ができるのか)
  • MAS法の技術内容

第3部

  • 従来法 (電解紡糸や精密複合紡糸) とは全く異なるナノファイバー作製法であるCLSDの特徴とその応用展開
  • 最近の研究について

プログラム

第1部 エレクトロスピニング法による大量生産とナノファイバーの役割、可能性 ~キャパシタ及びセパレーターを中心とした最新技術応用~

(2014年7月25日 10:30〜12:00)

信州大学 繊維学部 機械・ロボット学系 機能機械学課程 准教授
金 翼水​ 氏

 少空隙及び高比表面積の特徴をいかしたナノファイバーは近年、医療や衣服、フィルター分野、電気・電子分野など産業分野全体の鍵として注目されている。
 今回の講演は電気自動車の核心であるリチウムイオン2次電池を中心にナノファイバーの役割とその可能性を述べる。
 特にキャパシタとセパレーターに関しての最新技術を紹介する。

  1. ナノファイバーとは?
  2. ナノファイバーの進化
  3. 大量生産技術
  4. 最新技術:ナノファイバーの用途紹介
    1. ナノファイバーフィルターとマスク
    2. 透湿防水性をいかしたナノファイバーウェブ
    3. 高比表面積をいかしたナノファイバーウェブ
  5. まだまだ遠い電気自動車
    1. リチウムイオン2次電池のの材料構成
    2. セパレータ (Separator)
    3. キャパシタの電極材
  6. 結論及び討論
  • 質疑応答

第2部 ナノファイバーの可能性とMAS方式による応用

(2014年7月25日 12:50〜14:20)

(株) ゼダ 代表取締役 高橋 光弘 氏

 2002年に起きたイラク戦争にNano-filterが使用され非常に効果があったことを契機に世界各国でNanofiberの大量生産方式の研究が開始された。
 この時使用された方式が電界紡糸法 (Electro Spinning) であった。日本でも2006年年から東工大でNEDOプロジェクト「Nano Fiber Project」がスタートした。
 ところが、2010年頃から電界紡糸法では爆発の危険性も相まって大量生産は不可能であるとしてほとんどの研究機関や企業が研究開発から撤退した。我が国の「Nano Fiber Project」は、2011に終了し、その年に株式会社ゼタを設立した。
 その後、2年を経て「Nano Fiber Project」をベースしたMAS (Melt Air Spinning) 方式を開発した。この方式は電界紡糸法のように静電気を利用したものではなく高温高速AIRだけを使用したシンプルな構造を持っている。しかし、本方式でNanofiber大量生産の実現が可能となった。
 本方式は、ポリマーを膨潤するために溶媒を用いたものと熱にて溶融する2種類に大別される。
 本講演では、MAS方式で生成されるNanofiberを使用した応用例を紹介する。

  1. ESD法の致命的な欠点について原理から詳しく説明
    1. 静電界における電界干渉の問題点
      1. GNDの考え方 (GNDの位置での違いを電気力線で説明する。)
      2. ノズルレス方式とノズル方式の比較
      3. 導体と誘電体について (静電誘導と静電分極から説明する。)
      4. ポリマーの帯電のメカニズムについて
    2. 繊維径が300nm以下の時の問題点
      1. 放電と湿度の関係について
      2. ナノファイバーの繊維径が細くならない理由
      3. ナノファイバー層の状態 (2次元構造と3次元構造)
      4. 繊維径が300nm以下の場合、捕集効率が下がり圧力損失が大きくなる原因とは
  2. MAS (Melt Air Spinning) 方式の原理について説明
    1. MAS (Melt Air Spinning) 方式の原理
      1. 溶媒で膨潤させる場合の動作説明
      2. 加熱して膨潤させる場合の動作説明
    2. MAS方式で作成した結果の紹介
  3. ナノファイバーの可能性について実演と解説
    1. 油水分離 (撥水性PPによる油の吸着)
    2. 水のフィルタ (親水性PPによる水の吸着)
    3. 海水の淡水化
    4. 断熱材
    5. PM0.5対応フィルター
  • 質疑応答

第3部 炭酸ガスレーザー超音速延伸法によるナノファイバー作製とその応用

(2014年7月25日 14:30〜16:00)

山梨大学大学院 医学工学総合研究部 工学学域 物質工学系 (応用化学) 教授
鈴木 章泰 氏

 本研究室で独自に開発した炭酸ガスレーザー超音速延伸法 (CLSD) は、第3のナノファイバー作製法として認知されてきている。
 本講演では、CLSDの原理と特徴、種々材料への適用例について説明し、さらに、ナノファイバーのマルチフィラメント化、3D構造体などについても紹介する。

  1. はじめに
  2. 炭酸ガスレーザー超音速延伸法 (CLSD)
    1. CLSDの原理
      1. 超音速流の流体解析
      2. 溶融状態の観察
    2. CLSDで作製したナノファイバーの特徴
      1. CLSDの適用例
  3. 炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法 (CLSMD)
    1. マルチ延伸装置について
    2. ナノファイバーのシート化条件とシートの特性
    3. 連続巻取型CLSMD装置について
      1. マルチオリフィスについて
      2. 作製条件について
  4. 炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法で作製したナノファイバーのマルチフィラメント化
    1. マルチフィラメント化装置
    2. ポリ (エチレンテレフタレート) ナノファイバーマルチフィラメント (PET-NFMF) の作製
      1. シングルおよびツインPET-NFMFの特性
      2. PET-NFMFのゾーン熱処理
    3. ポリ乳酸ナノファイバーマルチフィラメントの作製
      1. PLLA-NFMFの作製条件
      2. PLLA-NFMFのゾーン熱処理
  5. 炭酸ガスレーザー超音速マルチ延伸法で作製したPETナノファイバーの3D構造体の作製
    1. PET-NF3D構造体の成形条件
    2. PET-NF3D構造体の特性
  6. 炭酸ガスレーザー超音速噴霧法で作製したポリマー微粒子
  7. まとめ
  • 質疑応答

講師

  • 金 翼水
    信州大学 繊維学部 機械・ロボット学系 機能機械学課程
    准教授
  • 高橋 光弘
    株式会社ゼダ
    代表取締役
  • 鈴木 章泰
    山梨大学大学院 医学工学総合研究部 工学学域 物質工学系(応用化学)
    教授

会場

東京流通センター

2F 第4会議室

東京都 大田区 平和島6-1-1
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主催

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