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UV硬化樹脂の硬化不良・収縮対策とその評価

UV硬化樹脂の硬化不良・収縮対策とその評価

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年9月5日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 UV硬化樹脂の硬化不良対策と硬化過程の追跡と硬化物の評価

(2016年9月5日 10:00〜12:00)

 UV硬化 (UVラジカル硬化) は高速で表面加工できるだけでなく、原理が簡単で、溶剤の低減化に役立つことから広範囲の用途で利用されており、最近その傾向はますます増大している。しかしながら、実用化に当たっては注意していないと思わぬ失敗をおかすことがある。
 本講ではUV硬化 (ラジカル硬化) の原理と技術の中で注意すべき点と硬化不良、黄変 お よび硬化収縮とその対策について解説する。また、硬化過程の評価および硬化物の評価にもついて紹介する。

  1. UV硬化の原理と特徴
    • 表面加工技術としての特長と欠点
  2. 光源の選択とメリット・デメリット
    • 光源の選択における注意点を中心に解説する:
      1. 光の特長の理解
      2. 高圧水銀ランプ
      3. メタルハライドランプ
      4. UV-LED (発光ダイオード)
  3. 開始剤の選択
    • 光源とのマッチングの観点から開始剤をどのように選択するかについて解説する:
      1. クリヤーハードコート
      2. 着色物の硬化
      3. 耐候性を求められる硬化物など
  4. UV (ラジカル) 硬化フォーミュレーションの選択
    • UV硬化の速度、硬化物の物性を決定するフォーミュレーションについて解説する:
      1. オリゴマーおよびモノマーの選択
      2. 構造と硬化物物性 (軟らかい硬化物、固い硬化物)
      3. 硬化速度など
  5. UV硬化不良と対策
    1. 酸素硬化阻害とその対策
      1. 光強度
      2. 開始剤濃度
      3. 官能基濃度
      4. 添加剤 (アミン
      5. チオール
      6. シランなど)
    2. 硬化収縮とその対策
      1. アクリル当量
      2. オリゴマー
      3. ハイパーブランチポリマー
    3. 黄変と対策
      1. 開始剤
      2. モノマー
      3. オリゴマー
      4. 重合禁止剤
      5. 添加物など
  6. 硬化過程の追跡法と硬化物の評価法
    1. 硬化過程の追跡
      • RT-FT IR
      • Photo-DSC
      • Laser Raman Spectroscopy
      • 蛍光センサーの利用
    2. 硬化物の評価
      • 指触試験
      • ラビングテスト
      • 鉛筆硬度
      • 密着試験 (クロスカット試験)
      • ユニバーサル硬度
  7. 基材とUV塗膜の密着性をよくするために考慮すべきこと
    • 表面張力と溶解パラメーターの理解
  8. UV硬化技術の今後の展望
    • 質疑応答

第2部 UV硬化樹脂光硬化開始剤の最適な選定

(2016年9月5日 12:40〜14:00)

 光硬化技術において、光硬化開始剤の特性が光硬化の効率や最終生成物の特性を決定する大きな要因となっているため、各用途で求められる特性を満足するためには、光硬化開始剤の選択と適切な使用が重要です。
 本講演では、光硬化技術の基礎および代表的な光硬化開始剤の種類と特徴について概説し、用途に適した光硬化開始剤の設計と選択法について分かりやすく解説します

  1. はじめに
    1. 光硬化技術 (その利点およ用途)
    2. 感光波長と露光光源
    3. 光硬化樹脂組成物
    4. 光硬化機構とその特徴
  2. 光硬化開始剤の役割と要求項目
    1. 光硬化特性を決定する因子
    2. 光硬化開始剤への要求特性
    3. 光硬化開始剤の2次特性
  3. UV硬化開始剤の種類、特性および反応メカニズム
    1. ラジカル型光硬化開始剤
    2. カチオン型光硬化開始剤
  4. 光硬化開始剤の最適使用法
    1. 各種硬化条件での最適選定及び最適使用
    2. 光硬化阻害因子とその改善法
    3. 2次特性を考慮した光重合開始剤の選定
    • 質疑応答

第3部 UV硬化過程のレオロジー解析

(2016年9月5日 14:10〜15:30)

 薄膜コーティング工程において加熱工程が不要である光硬化型塗料、コーティング材料が注目を集めている。特に使用する波長によって、その柔軟性および硬化特性を調整できるUV硬化性樹脂は幅広い用途で利用されている。
 本セミナーではUV照射前のサンプルのコーティング工程 (塗布工程) におけるタレ性、レベリング性、照射時における粘度や弾性率、収縮率などの物性変化について、粘弾性測定による評価事例を紹介する。

  1. UV硬化過程の評価における粘弾性測定の役割
    1. 製造工程の流れとその問題点
  2. 粘弾性測定とは
    1. 粘弾性・粘弾性体とは ~身近に存在する粘弾性物質~
    2. 従来の粘度特性評価機とは ~回転粘度計の特徴と限界~
    3. 粘弾性測定装置とは ~最新の粘弾性測定装置の特徴~
  3. 粘弾性測定の基礎
    1. 粘弾性測定の概要 ~回転測定と振動測定~
  4. 回転 (静的) 測定の概要
    1. 回転測定の概要 ~変形方法、粘弾性変数~
    2. 回転測定例
      1. ニュートン流動現象 ~粘度が一定?~
      2. ダイラタント現象 ~粘度が上昇?~
      3. シアシニング現象 ~粘度が下降?~
      4. コーティング工程の評価 ~タレ性、レベリング性評価~
  5. 振動 (動的) 測定の概要
    1. 振動測定の概要 ~変形方法、レオロジー変数~
    2. 振動測定による評価例
      1. 温度分散測定による評価例
        1. 熱硬化特性 ~温度変化に伴う粘度変化~
        2. 粘着特性 ~粘着材料のタック性、ピール性~
    3. 振動測定によるUV硬化特性の評価
      1. UV硬化測定システムの概要
      2. UV硬化測定 ~UV光照射に伴う硬化過程の評価~
      3. UV硬化測定 ~UV光照射に伴う収縮率の評価~
      4. UV硬化測定 ~UV硬化後の熱硬化過程の評価~
    • 質疑応答

第4部 UV硬化樹脂硬化収縮率、収縮応力の 測定とその解析

(2016年9月5日 15:40〜17:00)

  1. UV硬化樹脂について
  2. JISによる収縮率測定方法
  3. 硬化収縮について
  4. 硬化応力について
  5. 収縮率測定方法
  6. 収縮応力測定方法
  7. 樹脂収縮率、収縮応力測定装置について
  8. 装置を使った収縮率測定方法
  9. 装置を使った収縮率測定例
  10. 装置を使った収縮応力測定方法
  11. 装置を使った収縮応力測定例
    • 質疑応答

講師

  • 角岡 正弘
    大阪府立大学
    名誉教授
  • 倉 久稔
    BASFジャパン 株式会社 エレクトロニックマテリアルズ ディスプレイマテリアルズ開発グループ
    シニアマネージャー
  • 宮本 圭介
    株式会社 アントンパール・ジャパン ビジネスユニット
    キャラクタリゼーションマネージャー
  • 中宗 憲一
    株式会社アクロエッジ
    代表取締役

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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