技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

放熱基板 (セラミックス・樹脂) の高熱伝導化に向けた材料技術動向

放熱基板 (セラミックス・樹脂) の高熱伝導化に向けた材料技術動向

~SiN・AlN基板/AlN・h-BNフィラー添加樹脂基板の高熱伝導化技術~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年6月20日(月) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 金属基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
  • セラミックス基板の製法、特徴および各用途に向けた要求特性とその対応技術
  • 高放熱化に向けた放熱構造に関する取り組みと具体的な取り組み状況
  • 磁場を用いた配向セラミックス製造技術 (特に、Si3N4)
  • 粒子複合化技術
  • 材料開発技術
  • 材料プロセス設計技術
  • 結晶成長技術
  • BNの熱伝導性
  • 高熱伝導BN焼結体の作製方法
  • BNフィラーの化学合成

プログラム

第1部 放熱基板を取り巻く市場環境と材料技術動向

(2016年6月20日 10:20〜11:40)

 近年、電力の有効利用に向けてパワーモジュールの普及が進み、放熱基板は高耐圧、高放熱、高信頼性が求められる電鉄、車載用途を中心に広く使用されている。
 今後、次世代半導体素子 (SiC、GaN等) の普及に伴い、個々の部品に対して、パワー密度の増加に伴う放熱特性の改善、使用温度の高温化 (175℃→250℃) に伴う耐熱性の向上が要望されており、高熱伝導化や回路基板としての高信頼性に向けた種々の対応が図られている。
 本発表では、放熱構造も含めた放熱基板の技術開発状況について報告を行う。

  1. 放熱基板の用途と要求特性
  2. 樹脂基板 (高熱伝導アルミニウム基板)
    1. 高信頼性に向けた取り組み
    2. 高耐熱性に向けた取り組み
    3. 高放熱性に向けた取り組み (高熱伝導フィラーについて)
      • 球状アルミナフィラー
      • 窒化アルミニウムフィラー
      • 窒化ホウ素フィラー
  3. セラミックス基板 (窒化アルミニウム基板、窒化珪素基板)
    1. 絶縁層 (セラミックス) からの取り組み
    2. メタライズ層、回路金属からの取り組み
  4. 高放熱化に向けた放熱構造の取り組み
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 : 高熱伝導率化のためのc軸配向窒化ケイ素セラミックスの開発

(2016年6月20日 12:20〜13:40)

 SiCパワーデバイス実用化に向けたサーマルマネージメントのために、放熱基板の革新的性能向上は急務である。
 SiCパワーデバイスのより高い動作温度と大きな熱応力に耐えうる、優れた機械的特性と熱伝導率を両立できる材料として、窒化ケイ素 (Si3N4) が注目されている。Si3N4は大きな熱伝導率異方性 (理論値でc軸方向に400W/ (m・K) 、a軸方向に180W/ (m・K) ) をもつ。
 我々は、磁場を用いた配向プロセスにより、試料の厚さ方向にc軸配向した高熱伝導率Si3N4基板を開発した。さらに、「使われてこそ材料」という理念から、実用性の高い低磁場を利用する革新的プロセスの開発にも取り組んでいる。
 本講演では、これらの内容について紹介する予定である。

  1. SiCパワーデバイス用放熱基板
  2. Si3N4セラミックス
    1. Si3N4とは
    2. 高熱伝導率化のための微構造制御
  3. 磁場配向法により作製された高熱伝導率Si3N4セラミックス
    1. 超伝導磁石による高磁場を利用した配向プロセス
    2. 実用的な革新的低磁場による配向プロセス
  4. 今後の展望
  5. 総括
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 : 窒化アルミニウムウィスカー状フィラーの開発

(2016年6月20日 13:50〜15:10)

 様々な半導体デバイスの性能向上において、半導体素子から発生する熱の放熱を以下に効率よく行うかが、重要な課題となっている。たとえば、電子デバイスの場合は放熱がプロセッサなどの速度を律しているし、最近、省エネ技術の要として注目されているパワーデバイスにおいては、大電力を扱うことから、その重要度がより一層高い。半導体素子からの放熱の改善においては、絶縁性基板、封止材、接着剤、グリースなどの熱伝導の向上が必要となる。
 一般に、樹脂などの熱伝導率向上においては、比較的熱伝導率の高い材料をフィラーとして混合する手法が用いられる。窒化アルミニウム (AlN) は、高熱伝導性と高絶縁性を併せ持つ。そのためフィラー材として大きな期待が寄せられている。しかし、AlNフィラー材の作製コストが高いという問題があった。
 我々は最近、比較的容易にAlNフィラーを作製できる手法を開発した。しかも、この方法により形成されるフィラーはウィスカー (ひげ結晶) 状のものであり、より一層の熱伝導率向上が期待できる。

  1. AlNウィスカー状フィラーの可能性
  2. AlNウィスカー結晶の合成
    1. AlNウィスカーの合成法の基礎
    2. 形成メカニズム
    3. 最適条件の探索方法
    4. AlNウィスカーの評価
    5. 樹脂への混合
    6. 今後の課題
    • 質疑応答

第4部 : 窒化ホウ素焼結体の熱伝導度と樹脂用窒化ホウ素熱伝導フィラーの開発

(2016年6月20日 15:20〜16:40)

 六方晶窒化ホウ素 (h-BN) は、グラファイトと似た構造を持ち、軽い元素であるBとNが六角形状に強い共有結合で結びついた六角網面層が弱いファンデルワールス結合で積層された構造を有している。このa軸方向に相当する六角網面層は、強い共有結合で結びついているため400W/mK程度の高熱伝導を有していると言われているが、弱いファンデルワールス結合で積層したc軸方向では2W/mK程度と報告されている。
 本講演ではまず、熱伝導異方性のあるh-BNを用い、高熱伝導h-BN焼結体の可能性について報告するとともに、BNフィラーを添加した樹脂複合材料の熱伝導性の改善についても報告する予定である。

  1. h-BN
    1. h-BNの構造
    2. h-BNの位置づけ
  2. 高熱伝導BN焼結体
    1. 焼結助剤の影響
    2. BN粒径の影響
  3. 高熱伝導ハイブリッド材料
    1. BN凝集体添加エポキシハイブリッド材料の熱伝導度
    2. ホウ素源としてBを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度
    3. ホウ素源としてB4Cを用いたBNフィラーの合成とハイブリッド材料の熱伝導度
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 廣津留 秀樹
    デンカ 株式会社 セラミックス研究部
    部長
  • 高橋 拓実
    神奈川県立産業技術総合研究所
    研究員
  • 宇治原 徹
    名古屋大学 未来材料・システム研究所 附属未来エレクトロニクス集積研究センター
    教授
  • 楠瀬 尚史
    香川大学 工学部 材料創造工学科
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/22 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/4/24 熱対策 オンライン
2024/4/25 伝熱の基礎と計算方法および温度計測とその留意点 オンライン
2024/4/26 押出機内の樹脂挙動および溶融混練の基礎と最適化 東京都 会場
2024/4/26 セラミック粉体プロセスの基礎と高機能セラミックスの創製 オンライン
2024/4/30 熱伝導率の基礎と測定方法・測定事例 オンライン
2024/5/9 ファインセラミックス成形プロセスにおける高分子の役割とバインダー設計 オンライン
2024/5/9 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/5/10 エポキシ樹脂用硬化剤の種類、反応機構、選び方、使い方 オンライン
2024/5/13 車載用プラスチックの基礎と最新動向 オンライン
2024/5/15 UV硬化樹脂における硬化不良対策と硬化状態の測定・評価 オンライン
2024/5/16 金属・セラミックスの焼結技術 オンライン
2024/5/16 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン
2024/5/16 xEVにおける車載電子製品のサーマルマネジメント 東京都 会場・オンライン
2024/5/17 エポキシ樹脂の構造、特性と硬化剤の選び方・使い方、トラブル対策 オンライン
2024/5/21 xEVのPCU (パワーコントロールユニット) と自動車用パワーエレクトロニクスの技術動向 東京都 会場
2024/5/22 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基礎と応用技術の総合知識 オンライン
2024/5/23 電子機器の熱設計、熱対策 オンライン
2024/5/24 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン
2024/5/28 車載電池・リチウムイオン電池の爆発・火災事故の傾向、 その安全性向上技術、過酷試験の進め方、規制対応 オンライン